この3月でGINGERは創刊13周年。時代の移り変わりに寄り添いながらメッセージを込めた特集を組み、読者の皆さんに「自分を主役にした人生を」歩むためのアイデアやヒントをお伝えしてきました。そして創刊号からずっと続いているGINGERの巻頭連載、“オリジナルな自分”になるために大切なこと――を伝えてくれる「4Unique Girls(フォー・ユニーク・ガールズ)」。そう、山田詠美さんのエッセイです。
で、あなたは、どう思う?
「最新号のGINGERを手にして、最初に読むページです」とたくさんの読者から声が寄せられてきました。13年続く連載エッセイは今までに2冊の書籍にまとめられ、その2冊目がこのたび待望の文庫化に。いつでもどこでもページを開いて、読み進めることができます。好きなときに、何度でも。
「大人は他人より自分育て」「道徳より公衆道徳」「自分をねぎらう」「一線は越えましょう」...毎回のテーマタイトルも、私たちの心を大いに刺激するもの。ときに厳しく、ときにユーモアたっぷりに。詠美さんの人間観察レーダーに引っ掛かった人々が織り成すドラマも、まるで小説を読んでいるような楽しさがあります。
そんな“山田詠美ワールド”に浸ったあと、「あとがきにかえて」を読んでこの言葉に出合うのです。
「で、あなたは、どう思う?」
実は、各回の最後の最後に、書いていない一行があるのです。それは――という一文に続く、この問いかけ。
思ったこと、感じたこと、私だったらこうするかも、私はこうしたい...。読み終わったあとに自分の内面をのぞき込んだり、思考を広げていったり。“自分”のオリジナルな答えにたどりつくまで、そこまでやりましょうよと、この問いが呼びかけてくるのです。そして詠美さんは、その思いを「あなた自身の言葉で唇にのせてみて」と、私たちが“自分の言葉”を持ち、責任を持ち、勇気を持った大人になるようにと背中を押します。
「ユニーク・ガールズ」に向けた問いかけ一つひとつに応える覚悟を持って、この一冊をもう一度読み返してみましょう(初めて読む方も、もちろん)。“特別なあなた”になるための“招待状”は、自分の言葉を持ちたいと願う誰もが手に取ることができるのですから!