旬野菜を使った料理や、季節に合わせたメニューを、フードライターの坂本ちなみさんがご提案。今回は、前回に引き続き豆腐を使ったヘルシー料理10選。献立のレパートリーを広げてくれるアイデアに注目です。
豆腐とほうれんそうの中華蒸し
日々作りたい豆腐料理が増えてきた。我が家の冷蔵庫も胃袋も豆腐大歓迎である。水切りした木綿豆腐を好みの大きさにカットしたら、スプーンで中央をくり抜く。湯掻いて水切りしたほうれんそうを擦り、くり抜いた時に出た豆腐、片栗粉、柚子味噌、砂糖、辛子、紹興酒を加えて練ったものを豆腐に詰めて蒸す。豆腐に抱いていた既成概念、そんなものはさようなら。枠をはみ出す美味しさだった。
今回、ピンチョス風に爪楊枝に刺してみたら、独特の雰囲気に。お弁当に入れるときなどは、冷めても美味しいように刷毛で蜂蜜生姜醤油をサラリと塗ったり。これまた意外と味が重なって良い塩梅。
豆腐つくね
水切り木綿豆腐、みじん切り玉ねぎ、小口切りインゲン、おろし生姜、片栗粉、塩、こしょうを混ぜ合わせ、等分して丸く成形。ごま油をひいたフライパンで両面焼き、照りタレで仕上げる。自分で言うけど、豆腐つくねは非の打ちどころのない美味しさだった(笑)。
豆腐のたまごサンドイッチ
卵の白身の代わりに使用した、かための絹ごし豆腐。キッチンからチラリと家族の食べっぷりをうかがう私…。彼らはすっかりその気で(通常のたまごサンドだと思って)食べていた。茹で卵の白身と、かための絹ごし豆腐は確かに似てるかも、食感もクセのなさも。この日、卵白は別の料理に使ってしまったので、黄身だけが残り思いついた「豆腐のたまごサンド」。栄養面も馴染み方も、うん、なかなかいける!
※黄身はフライパンで作った炒り卵を使用。
豆腐椎茸のオーブン焼き
リピエノは好きな料理。詰める中身と詰められる側の素材が、熱を吸収しながら歩調を合わせる。片栗粉の働きによってくっつき、そして重なることでさらに旨味がじゅわ~と全体に広がっていく。まさに味わい深い料理!
●作り方
1. 水切り絹ごし豆腐、蒸して潰した百合根、アサツキ、砂糖、塩麹、紹興酒を混ぜ合わせる。
2. 石づきを取って内側に片栗粉をまぶした椎茸に、1をこんもり盛って白ごまをふり、ごま油を垂らす。
3. オーブンで焼いたらできあがり。
葛餡豆腐
豆腐の神秘を感じられる一品。なめらかな食感と柔らかな口あたりが、空気を一変させ、感覚を研ぎ澄ませる。
●盛り付け方
器の大きさで豆腐の大きさを加減する。豆腐を手のひらに乗せ、底1㎝ほどを残しながら格子状に包丁で細かく切り込みを入れる。そっと器に入れて、餡をかける。
※餡は、出汁、薄口醤油、塩を加熱し、水溶き本葛でとろみを加えたもの。
豆腐の春巻き
水切り木綿豆腐で作る春巻きがこんなに充実したものだったなんて。白菜やにらに加え、カニカマも入れてみた。カニカマから出る旨味が、少量の調味料でも味に奥行きを持たせている。白菜の甘味も良い具合。旬の食材と豆腐を合わせると季節感が増してほっこり。
豆腐餃子
豆腐の変幻自在さに驚く。どんな料理にも合わせられる素直で純真無垢なところは見習いたい (笑)。中身のシンプルさはガツンとパンチの効いたタレでカバー。
上の写真は餃子を作る工程を撮影したもの。豆腐は炒れば炒るほどお肉に近くなる。つまり、水分を飛ばすと大豆ミートのできあがりというわけ。今回は、炒り豆腐、塩をして絞ったキャベツとニラを同量ずつ混ぜ込んだ。豆腐餃子タネの味付けは、おろし生姜、おろしニンニク、醤油、砂糖、酒、塩、片栗粉、ごま油。
豆腐入りシナモンロール
絹ごし豆腐と豆乳が円環を成しながら生地に加わり仲良くシナモンロールへと行き着いた。優しく清らかな生地を丁寧に伸ばす。シナモンを混ぜ込んだパームシュガーを、伸ばした生地にまんべんなくぬると、心なしか豆腐が喜んでいるように思えた。仕上げにはアイシングとココナッツファインを。心がはずむシナモンロールの出来上がり。
豆腐スコーン with 餡子
背高のっぽの豆腐入りしっとりスコーン。またしても感動を生んだ。生地がたおやかで優しいのだ。このなんとも言えないふんわり感が、私のリピート間違いなし度をグングン引き上げる。
そして、大豆と小豆の結びつきも見逃せない。豆腐を混ぜ込んだスコーンには、やはり餡子が合うのだ! 美味しすぎて、とうとう泣きながら食べた(笑)。
海老豆腐コロッケ
潰した水切り木綿豆腐に擦った海老とアンチョビガーリックオイル、片栗粉、こしょうを加えてよく混ぜ合わせる。適当な大きさに丸めて小麦粉→卵→パン粉をつけて揚げる。
今回の豆腐10選、いかがでしたか~? 豆腐の可能性、まだまだ続く予感。来週も楽しみに待っていてね。