甘く優しい、ジェントルなムードが魅力だったはずなのに、この春の岩田剛典さんはちょっと危険な薫りが・・・。物憂げな瞳、含みのある口元。そんな岩田さんに見つめられると、今までに感じたことのない胸のざわめきが起こります。
3月10日の主演映画公開まで、いよいよカウントダウン! この作品に臨んだ岩田さんの心境と、深い深い思い入れをGINGERに語ってくれました。
これまでにない、骨太な作品への挑戦
この3月で29歳を迎える岩田剛典さん。主演映画『去年の冬、きみと別れ』では、セクシーでひと筋縄ではいかない、“大人の横顔”を魅せてくれました。
今回の作品は、日本のミステリー界で今最も注目されている芥川賞受賞作家、中村文則氏の小説を原作としたミステリー。これまで岩田さんが参加してきた数々の映画やドラマなどとは毛色が違う、重厚な作品です。
「もともと、こういったダークさと奥深さがある作品が好きだったので、このお話をいただいたときは、本当にうれしかった。その時点ではまだ台本はなく、プロット的なものだけ読ませていただいたんですが、その時点でものすごく面白く、やり甲斐がありそうだと興奮したのを覚えています。シリアスなサスペンスって、僕にとっては未経験の領域。でも、これをやり遂げたら何かが変わるのではないかと考えて、覚悟を決めて飛び込みました」
その演技は最初から最後まで目が離せない、まさに熱演。愛と罪にがんじがらめに縛られた、これまでに見たことがない岩田剛典さんが、スクリーンに浮かび上がります。
「僕が演じた耶雲(やくも)恭介はもちろん、登場人物全員、愛が強いがゆえにボタンを掛け違えて、そこに絡めとられている。そういう意味では、愛というのは怖いな、とも思いました。この映画はフィクションですけれども、描かれているようなことが自分の身に起こったら、誰だってこういう感情になるよな・・・とか思いますね」
負けず嫌いの自分にぴったりな仕事
グループでのアーティスト活動と、役者としての顔。岩田さんは、それぞれの仕事に対して、どんな思いを抱いているのでしょう。
「僕はまず、芝居でもダンスでも、表現をするということが好きなんです。なぜ好きかというと、そこには点数も正解もないから。見えないゴールに向かって小さなことを延々と積み重ねていくことが、けっこう好きなんですね。終わりが見えないからこそ、やり甲斐がある。この世界は、自分の“負けず嫌い”の部分を常に揺さぶられるのですが、それがとても気持ちいい」
その場の空気を和ませる柔らかな笑顔と、負けず嫌いだという芯の強さ。このギャップもまた、岩田さんの大きな魅力ですね!
岩田剛典(いわたたかのり)
1989年3月6日生まれ、愛知県出身。EXILE/三代目J Soul Brothersのパフォーマー。4月より「崖っぷちホテル!」(日本テレビ系)で、初の連ドラ主演を務める。また今年は、河瀨直美監督映画『Vision』や、映画『パーフェクトワールド』の公開も控えている。