「年下男子の落とし穴」にご注意ください

“大人のフリ”して放置(我慢したり、見て見ぬふりしたり)せず、煩わしい人間関係をぶった斬り、好きな人たちとだけ生きていく——。そんな“自分基準”を掲げて、人生を楽しく、生きやすくしていきませんか?

脚本家 岸本鮎佳さんの連載「私、幸せになるんで。はい、サヨウナラ」。あなたの人間関係やモノ付き合いの整理整頓&取捨選択に際し、ぜひご参考に!(編集部)

vol.02 「ワガママ年下男子」

ここ数年、「年下男子」が流行っている。

35歳である私の同世代の友人たちも、当たり前のように、年下男子と付き合っていたり、結婚したりしている。
しかも、それは1歳、2歳下とかではなく、7歳、8歳、10歳下というのが、当たり前だったりする。

何故、こんなにも年下男子ブームが巻き起こっているのだろうか。
年下男子は、「可愛い」「母性本能がくすぐられる」そんなところだろう。

実際に仕事でもプライベートでも35歳の私は、年下男子と接することが多くなってきた。

ただ、そんな「年下男子」にも落とし穴がある。

ただ「可愛い」だけではない。

男性のワガママに女性は弱い。


それは、我々女性が少なからず、「母性本能」を持ち合わせているからだろう。

昔付き合っていた年下男子は、顔が可愛くて、
素直でまっすぐ、育ちの良さそうな立ち振る舞いで、
絵に描いたような「可愛い年下男子」。

私は、彼の脱ぎっぱなしの靴下を回収したり、
彼が大好きなカレーの研究をしたり、
とにかく年下の可愛い彼に尽くしていた。

でも、彼も炊き込みご飯を作ってくれたり、
誕生日にサプライズをしてくれたり、
私が苦手なお金の計算をしてくれたり、
彼なりに尽くしてくれていた。


だから、彼のちょっとしたワガママは、可愛いワガママ。


・・・だと思っていた。


そんな感じで付き合って二年後・・・同棲をしようという話になった。


ついに!ついに!私も、完全なるリア充になるのね!神様、まじありがとうございます!!

彼の靴下を拾い続けたかいがありました!!!

という感じで、完全に一人盛り上がる私。

彼と一緒に不動産屋に行った時も、
私の「私、充実してる女です」感がもろに出ていたことでしょう。

家賃、広さ、希望条件を彼と話し合い、
二人とも求めているものは、たいして変わらず、
不動産屋さんにもしっかりと、条件を伝えました。

・・・が、1軒目の不動産屋は、なかなか希望に合った物件を出してくれず、
2軒目・・・やはり、いまいち希望の条件の物件を出してくれず・・・。


時間はお昼すぎ。

ランチを食べていた時、

私 「次はさ、ここの不動産屋さん、評判いいから、ここ行ってみようよ!」

彼 「え?あぁ・・・」

私 「ここから近いし!次こそいいの出してくれるといいね!」

彼 「・・・うーん」


彼のテンションは明らかに下がっていました。

でも、私たちの予定が合うのは、その日しかなくて、なんとか今日のうちに内見も出来たらいいなと思っていたのです。


時間はまだ昼過ぎ。

何とか、彼のテンションを上げさせないと、まずい!と思い、テンションが上がるように説得を試みました。


が・・・


彼 「俺、もう疲れちゃった・・・」

ん?

彼 「だって、こんなに回っても、ないってことは、ないってことじゃん?」


まだ、二軒しか行ってないぞ?


彼 「・・・もう、帰ろう?眠い・・・」


は?

え、ごめんなさい、ちょっと待ってください。

まだ2時前ですよ?お客様。

まだ2軒しか回ってませんよ?お客様

しかも、その2軒とも私が調べましたよね?お客様

え、眠いって・・・


散々寝てただろうがぁ!!!!

おきゃくさまぁあああああ!!!!!

と、度肝を抜かれた訳ですが、勿論諦めきれない私は必死で説得に回ります。


私 「うん、でもさ、まだ二軒しか回ってないしさ?」

彼 「・・・」

私 「今日ある程度見ておかないと、もっと先になっちゃうしさ?」

彼 「・・・」

私 「不動産屋さんって、相性とかあるみたいだから、今までのところはさ、相性悪かったのかもしれないしさ?」

彼 「・・・」


何を言っても、響かない。

さすがの私も、もう限界。


私 「え? じゃ、どうしたいの!?」


半ギレ気味に言った私の一言に、彼が返した一言・・・

彼 「俺・・・帰るわ・・・」

は?

そのまま席を立ち、帰っていった彼。

茫然と立ち尽くすアラサー独身女。


何でこうなった?
私、何でキレられてんの?

何も状況が理解できないまま、涙でグーグルマップが滲んでもなお、私は3軒目の不動産屋に一人でたどり着きました。


ねぇ、不動産屋さん、私は彼に何をしたというのでしょうか?
いい物件が見つからないのは、私の責任でしょうか?


はい、ちがいま~す!!!


結論として、私は彼を甘やかしすぎたのです。


「年下だから」という理由だけで、何でも許してしまった。

これが、30歳を越えた男性だったら、どうだろう?
きっと、「おい、てめぇ、何甘えたこと言ってんだ?」と、ブチギレ、引きずってでも不動産屋に連れて行くだろう。

「年下男子」=「可愛い」=「どんなワガママでも許せちゃう」
ではないのだ。

それから程なくして、その彼とはお別れした。


可愛い顔の年下だろうが、何だろうが、自分の住む場所も決められない男を許す器量は、私にはないから。

いくら可愛くても「年下男子」という言葉に惑わされてはいけない。

そう心に誓った。

サヨウナラ、サヨウナラ。
「年下男子」という可愛い魔法にかかってはいけない。  



文/岸本鮎佳

岸本鮎佳/脚本家
ナビゲーター
岸本鮎佳/脚本家
脚本家・劇作家・演出家・女優。演劇ユニット「艶∞ポリス」主宰。女性独特かつ綿密な人間観察を土台に作り上げる会話劇を得意とし、笑いを織り交ぜたスタイリッシュな作風で幅広いファンをつかむ。主宰する舞台では、脚本、演出、出演をこなし、近年は映像の脚本も手掛けるなど、その多彩な才能を発揮。InterFM897のレギュラー番組 岸本鮎佳と渋江譲二「艶っぽい夜」(毎週木曜23:00~ / https://www.interfm.co.jp/tsuya )も大好評。10月スタートのドラマパラビ「だから私はメイクする」(テレビ東京)で監督を務める。
このナビゲーターの記事を見る