連載『プロジェクトS 』 都市型水族館アクアパーク品川の広報女性に聞く、仕事を楽しむコツ(後編)

商品やサービスを通じてSpark(ときめき&ひらめき)を発信している、働く女性をクローズ アップする連載『 プロジェクトS 』。“S”はもちろん“Spark”の頭文字です。商品制作の舞台裏や仕事に対する想いなどをインタビューしていきます。企画や研究開発に携わる同世代の彼女たちから、仕事を楽しむヒントやコツが得られるはず!
今回は、都市型水族館アクアパーク品川で働く山田亜希子さんへのインタビュー後編。最先端技術やエンターテインメントを体験できる、話題の水族館で広報として活躍しながら、季節ごとの展示企画にも携わる山田さんのお仕事スタイルをフィーチャーします。

 撮影/山越翔太郎

5年の時を経て仕事の現場に復帰

―現在のお仕事内容について教えていただけますか?

〈 山田 〉広報として主に水族館のPR業務を担当しています。メディアの方々にも、お客様にも自分が面白いと思った企画でないと、自信を持って「面白い」と伝えられません。アクアパーク品川の広報担当は現在は私ひとりですので、展示の魅力や特徴を十分に伝えるためにも、その企画段階から会議に参加したり、社外のイベントなどにも積極的に出席して勉強しています。

―水族館での仕事に就いたきっかけは?

〈 山田 〉もともとは品川プリンスホテルに入社して、ホテルの広報担当として5年ほど勤めた後、結婚を機に一度退社しました。退社後はホテルや水族館とはまったく異なる業界で仕事を続けていました。水族館のリニューアルを翌年に控えた2014年に、ホテル勤務時代の上司だった現水族館館長に声をかけていただいたのがきっかけで、横浜八景島*に入りました。5年の時を経て、水族館の広報として再び品川に戻ってきたということになります。

*2013年に水族館は西武グループ内で、品川プリンスホテルから株式会社横浜八景島に事業移管。

―リニューアルの際に大変だったことは何ですか?

〈 山田 〉リニューアル前は1階にはアトラクションがあり、2階が水族館という完全に分離された施設構造でした。リニューアル後は1階から2階まで1本の導線を確保した上で、水槽や展示の数を増やしましたので、コンセプトに基づきながら新たに作るものが多かった点では大変でしたね。

余裕を生むタスク管理で突然の仕事にも即対応

―現在の職場は女性として働きやすい環境ですか?

〈 山田 〉性別関係なく、とても風通しの良い環境だと思っています。女性社員だけでなく、男性社員も子供の保育園のお迎えのために、早く退社するケースもあります。時短勤務や育児支援制度などがあっても、周囲の理解があって社員がその制度を運用できていなければ、気持ち良く働いているとはいえないと思います。当館ではその問題はまったくないですね。

― 一日のタイムスケジュールを教えてください

06:00 起床

08:30 出勤、メールチェック

10:00 デスクワーク(資料作成など)

13:00 チームメンバーとランチ

15:00 取材対応

17:30 社内ミーティング

19:00 退社

20:00 買い物後、帰宅

23:30 就寝

〈 山田 〉まず通勤中に頭のなかで、その日一日の流れをシュミレーションします。ありがたいことに取材対応がない日はありません。急な取材が入ってもすぐに対応出来るように、最低限のやるべきことだけを決めて、細かな時間配分は決めていません。後輩からの相談も時間に余裕を持って聞きたいと思っているので、パズルのピースを埋めていくように予定を入れ替えたりしながら、臨機応変にプランを変更出来る“余白”を残すようにしています。

―広報として今一番楽しさを感じる部分は?

〈 山田 〉スタッフ同士で自由に意見を出し合い、企画内容を決めるているときでしょうか。何かを作りあげるには、さまざまな視点からの意見が出ることが大切ですし、他のスタッフの発想が自分の糧にもなり、今後の企画に活かせます。欲を言えば、この時間に生まれたものが水族館の戦略としてヒットすると、さらに嬉しさが増しますね。

―日頃の情報収集源は何ですか?

〈 山田 〉私の職種は世の中のすべてが教材になります。足元にヒントがごろごろと転がっていて、どれを拾い上げてどうやって形にするかが重要なポイントです。

新聞は経済面から文化芸能面まで毎日読んでいますし、雑誌もまめに読んでいます。電車の中吊り広告や異業種の友人との話から、旬の情報を得ることも多いですね。いろいろな情報を取り込んで、頭の中で繋げていくのが情報収集だと考えています。

例えば当館では毎年猛暑日に、入り口前の坂道でオットセイに柄杓(ひしゃく)をくわえてもらい、打ち水を行っています。先月の7月20日に東京都環境局が「打ち水日和」という都内各所で打ち水を行うイベントを主催するというニュースを知って、その日は予定していませんでしたが、当館でも地域貢献として急遽打ち水を行いました。ジャンルを絞らず情報を集めることが、思いがけず企画に活きることも多いのです。

何かを貫くことも変わることも恐れない

―仕事のモチベーションは何ですか?

〈 山田 〉広報として“縁の下の力持ち”的な存在でありたいと思っています。イベントや展示を企画して、それを魅力的な情報として拡散し、お客様を呼ぶための準備を100%するところまでが私が出来ること。それをインフォメーション担当のスタッフが丁寧な接客をしてくれたり、トレーナーやイルカたちが素晴らしいパフォーマンスをお客様に披露することで、100%の状態で引き継いだものが120%、そして150%と大きく育っていく様子を見るのが何よりも嬉しいですね。同時に、このサイクル自体の基盤を作る仕事に携われている楽しさも感じています。また、事務所が館内にあるのでお客様の反応を間近で見られることも、モチベーションアップに繋がっていますね。

―仕事をする上でのモットーはありますか?

〈 山田 〉父から言われた「変わらない努力と変わり続ける勇気を大事にしてほしい」という言葉がずっと心のなかにあり、仕事のモットーにもなっています。これは私が出身地である北海道から上京するときに父からもらった言葉です。おそらく父は、都会暮らしで良からぬ人に惑わされないように、という意味で話したのだと思いますが(笑)。

私なりの解釈は情報過多の時代に、流されずにしっかりと自分らしさを貫くという「変わらない努力」、成長するためには新しいものを取り入れて前進することを恐れないという「変わり続ける勇気」を大切に、ということかと。このふたつはプライベートでも、仕事をする上でも大切にしていきたいです。

そしてこの言葉は水族館の施設コンセプトを貫くことにも、共通していると思うのです。海の生き物とテクノロジーが融合した当館の演出に対して、ベーシックな展示を好まれる方ももしかしたらいらっしゃるかもしれません。けれどアクアパーク品川が発信する、水族館という枠を超えたエンターテイメント性の高い見せ方を貫き、進化し続けることも必要だと、私は考えています。

職種にこだわらず、得意分野を活かして次のステップへ

―今後の展望を教えてください

〈 山田 〉今興味があるのは経営事業企画です。広報の仕事も好きですが、トレンド調査やプロモーションの仕方を学んだ経験を生かして仕事の幅を広げるのも面白そうだなと思っています。プロモーションの視点を持ちながら、まったく別の部署で違うことをやってみることにも興味がありますね。

20代の頃は苦手なことをなくしたくて、手さぐりで苦手分野を勉強していたのですが、30代になってようやく得意分野を伸ばすために、不足していることはなんだろうと紐づけて考えられるようになりました。今でもインプットを増やしつつ学びながら仕事をしているので、それをいろいろな場面で役立てていけたらいいなと思っています。

それから、職場には独身の後輩たちも多く、結婚後の働き方について相談を受けることもあります。家庭があっても楽しく働けるよっていうお手本を見せることができたら、嬉しいですね(笑)。

『アクアパーク品川』
東京都港区高輪4-10-30(品川プリンスホテル内)
TEL:03-5421-1111 <音声ガイダンス>
営業時間:〜2017年8月31日(木) 9:00-22:00、2017年9月1日(金)〜12月31日(日) 10:00-22:00
定休日:なし
※営業時間は予告なく、急遽変更となる場合がございます。
http://www.aqua-park.jp

日頃から展示や企画が形になるまでの過程を、しっかりと見届けている山田さん。長年積み上げてきた広報としての経験をフルに活用し、スタッフと密にコミュニケーションを取りながら唯一無二のヒット企画を生み出してきました。最先端のテクノロジーを駆使した見せ方により、いつ訪れても驚きや感動を与えてくれる都市型水族館、アクアパーク品川。山田さんをはじめ、スタッフの情熱が創る新たなエンターテイメントを体感して、海の生き物の素晴らしさを再発見してみませんか。


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