価値ある家電はどう選ぶ?部屋の中で浮かないこだわりデザインの秘密

商品やサービスを通じてSpark(ときめき&ひらめき)を発信している、働く女性をクローズアップする連載『プロジェクトS 』。“S”はもちろん、GINGERwebのテーマ“ Spark yourself!”の頭文字です。 この連載では、商品制作の舞台裏や仕事に対する想いなどをインタビュー。企画や研究開発に携わる同世代の彼女たちから、仕事を楽しむヒントやコツが得られるはず!


今回は株式会社日立製作所でデザイナーとして活躍する、小林雅由子さんのインタビュー続編をお届け。「インテリアから発想した冷蔵庫」を手がけた彼女のものづくり愛から見えてくる、家電づくりの裏側をお届けします。


撮影/高村瑞穂
取材・文/GINGERweb編集部

細やかな配慮が質を高める

新しく家電を生み出すには、構想から製品化までに細かく段階を踏む必要があります。デザイン以外にも機能や使い心地、安全性まで考慮しなくてはなりません。紙に書いたデザインを模型にしてみるとイメージが異なったり、設計上実現不可となることもしばしば。

「家電は使うものなので耐久性などは無視できません。デザイン的に省きたいパーツがあっても設計上、許可が出せないということも。どこを落としどころにするか設計者と毎回議論を重ねます。

デザインの工程としては、思いついたアイデアやイメージを紙にスケッチし、参考資料を集めます。描いたスケッチをA4サイズや製品の原寸サイズでプリントアウトしたら、壁に貼って検討。候補を絞ったら模型を作り、改良を重ねて量産へと進みます」

小林さんが一から企画に携わった「インテリアから発想した冷蔵庫」は、家具やインテリアのように住宅空間に馴染む新しい発想の冷蔵庫。これまでの冷蔵庫には見られない色や質感にこだわった製品です。

「色の出方や柄の重なり方はアクリル板のサンプルを使用して検討しました。実は柄を入れることは非常に難しいんです。スクリーンプリントという方法を利用していて、1色につき1枚ずつ版を作り、多色刷りの場合は位置を合わせ重ねて刷っていきます。色の組み合わせはもちろん、どの層にどの色を置くか、角度を少し変えるだけでも表情が変わります。1人では決めきれないタイプなので、チームのメンバーに意見を求めることも多かったですね」

デザインに必要な“伝える力”

右から2種は小林さん担当、ほか3種はインテリアショップ、アクタスとのコラボ製品

現在のところ、「インテリアから発想した冷蔵庫」はオンラインのみで販売しています。お客様が実物を見られる機会が少ないなかで欲しいと思っていただけるよう、プロモーションにおいても工夫が必要だったそう。

「この製品は周りのインテリアがあってこそ、よりその魅力がわかる冷蔵庫です。そのため、CGによって空間イメージを再現しました。製品の色だけ見るとキッチンに合うかどうか判断しづらい点もあるかと思いますが、CGがあると具体的なイメージがわくので、作ってよかったと思います」

「美術大学でデザインを学んでいた頃から『デザインは伝わらないと意味がない』と強く感じていました。頭の中ですごくいいアイデアが浮かんでいても、それをうまく相手に伝えられなくて採用されないこともあります。

社内でも、お客様に対しても、伝える技術がなければ、どんなにいいアイデアがあっても本当にいいものとは言えないと今回のプロジェクトを通して、再確認することができました」

自分が納得できる名案が浮かんでも、会議などで上手くその良さを説明できずモヤモヤが残るケースは多くのアラサー女子が経験済みなのでは? どんな商品やサービスにおいても、見た目だけではわからないこだわりが詰まっているもの。暮らしの中でどのように役立ち、どのような影響を与えるかまで、より明確に想像させる伝え方によって相手の心が動きます。
皆さんもこの春からの働き方に、“伝える力を高めていくこと”もテーマに加えてみてはいかがでしょうか?

日立の冷蔵庫
https://kadenfan.hitachi.co.jp/rei/

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