最短時間でスランプ脱出! ブレストよりも効果的なアイデア出しの方法って?

仕事で何かアイデアを考えなくてはいけないとき、どんなに頑張って考えようとしても行き詰まってしまうことってありませんか? そんなときに必要なのは、実はブレインストーミングではないのかもしれません。今回は、仕事のスランプを脱出するためのひとつの解決方法をご紹介します。

アイデアが思い浮かばない・・・

今回紹介するのは、マヌーシュ・ゾモロディのスピーチです。

ジャーナリストとして世界各国を飛び回っていたゾモロディ。息子を出産するためしばし仕事から離れていた彼女は、育児が落ち着いたところでずっと欲しかったiPhoneと、ずっとやりたかった仕事を手に入れます。

彼女が務めることになったのは、公共のラジオ番組のホスト。視聴者数を10倍にするという目標のもと、彼女は仕事に打ち込みます。隙間時間にはメールに返信したりTwitterをチェックしたりでスマホとにらめっこ。

ある日、彼女は番組のアイデアを出すためブレインストーミングをします。でも、まったくアイデアが思い浮かばない。そして彼女は、最後によいアイデアがひらめいたのはいつだったかを思い出します。仕事から離れ、ベビーカーと悪戦苦闘していたときです。

ところが、いまや彼女の生活のあらゆるスキマ時間はスマホタイム。ふと、彼女はこんな疑問をもちます。洗濯物をたたんでいるときや歩いて会社に向かっているとき、そんな退屈な時間に自分の脳は何をしているのだろう?と。

退屈がアイデアのカギ?

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彼女は神経科学者や認知心理学者たちから、面白い話を聞きます。人が退屈しているとき、その人の脳では「デフォルト・モード」と呼ばれるネットワークのスイッチが入るというのです。洗濯物をたたんでいるときや歩いているとき、体は自動操縦状態なのでも脳はとても忙しく活動している状態にあります。

退屈について研究しているサンディ・マン博士によると、私たちがぼんやりしているとき、私たちの脳は意識を少し越えた思考をはじめ、無関係なアイデアをつなげだすとのこと。それゆえ、デフォルト・モードに入った私たちの脳は、バラバラのアイデアを結びつけて難しい問題も解決できるらしいのです。

タスクの切り替えが脳を消耗させる

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ゾモロディはさらに、神経科学者のダニエル・レヴィティンにも話を聞きにいきます。

注意を他の事に移す度に脳は神経化学的スイッチを使う必要があり、その注意を移す作業で 脳の栄養を使い切ってしまうんです。マルチタスクを試みている時、つまり一度に4つ5つのことをしている時、実際には同時に4つも5つも(作業を)している訳ではありません。脳はそんなふうには働かないからです。ある事から次の事へと短時間で移行しているのであって、それに伴い神経の資源は使い尽くされていきます。

つまり、タスクを切り替えれば切り替えるほど、脳が消耗していくのです。さらに情報学教授のグロリア・マーク博士は、人間はストレス下にあるとより短時間で注意を他に移す傾向があること、そして睡眠時間が短いほど Facebookを多くチェックする傾向にあると話します。

創造性の秘訣は「何もしないこと」

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そこでゾモロディは「退屈すれば脳はひらめく」という企画を始めます。 スマホを手放せばもっと創造的になれるのか?という実験です。

詳しい内容はスピーチのなかで紹介されていますが、最終的に2万人が「退屈すれば脳はひらめく」企画に取り組み、90パーセントの人たちが使用時間を減らしたとのこと。参加者の70%は考える時間が増え、さらによく眠れるようになったそうです。参加者の幸福感も増しました。

この企画からわかったのは、少々の退屈がわれわれに明晰さを与え、一部の人にとっては目標設定の手助けにもなるということです。彼女はこう話します。

自分に尋ねてください。「自分は今 本当は 何をしようとしてる?」もしメールチェックなら、やっちゃいましょう。でももしもっと熟慮すべき困難な仕事から逃れているのなら、休憩をとり、何もしないことによって、実は最も生産的で創造的になれるのだと気づきましょう。はじめは落ち着かないかもしれません。でも退屈な時、脳は本当に優れたアイデアを導くのです。

仕事に行き詰っているときにこの記事にたどり着いたあなた。カフェの窓際の席でも確保して、コーヒー片手に数十分ぼんやりしてみては? 脳がアイデア出しの準備をはじめるかもしれません。

文/タカハシアスカ


タカハシアスカ/ライター
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タカハシアスカ/ライター
ヨーロッパ在住ライター&時間を見つけてはふらっと旅に出るウィークエンドトラベラー。 長期の海外経験で培った感覚で、アラサー女性に刺さるものをピックアップ。 日々ユニークなものを求めて、ヨーロッパ各国をうろうろしています。
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