世界中の誰もが言われて一番嬉しい言葉とは?/ 言葉は女の武器になる!

職場でも家庭でも、自分の居場所を心地よくするためのキーポイントとなる言葉選び。“言葉”を仕事にするアナウンサーの八木早希さんに、大人の女性なら身につけておきたい言葉の選び方や、コミュニケーションのコツをナビゲートしていただくこの連載。今回は、世界中の著名人と関わってきたからこそ思う、誰もが言われて嬉しい言葉について。後輩が増え、指導する機会も増えるアラサー世代。ぜひコミュニケーションのヒントにしてください。

一流の人に学ぶ! 言葉で心を掴む方法

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お会いしたスターといわれる方の中で特に印象に残っている人がいます。ハリウッド俳優のトム・クルーズさん。
緊張しながらカメラがセットされた部屋で待っていると、約40人の取り巻きとともに現れたトムさん。それはそれは、目映いオーラを放ち、真っ白な歯を奥歯まで見せたキラキラした笑顔で登場されました。そして、第一声が、「Hi!Saki!」。私の名前を呼んだのです!そして、「韓国に住んだことがあるんだって? この後プロモーションで韓国に行くのだよ」と。

実は、トムさん側からの要請で、事前に履歴書を提出していました。とても稀なことで、当日本人に聞いてわかりました。

理由は、「皆が僕のことを知っているくらい、僕もあなたのことを知りたい」

♡♡完全に心を掴まれました。世界中のインタビュアから同じような質問を繰り返される中、そのひとつひとつの出会いを意味ある時間にしたいという思い、そして「名前」を覚えるという心遣いに感動しました。

「名前」こそ、世界中の誰もが言われて嬉しい言葉。

人の心の掌握力でも改めて注目されている田中角栄元首相。部下や周りの名前をすべて覚えたというエピソードは有名ですが、時に忘れてしまった時にはこのように確かめたそうな。「君、名前何だったかいね?」「あ、八木です」と返事すると、「名字は知っとる!下の名前だ!」と。部下の者からすると「下の名前まで聞いて下さるの?」という感動しか残さずに名字の確認ができたというわけです。うまい!

「名前」は、心を開いてもらう最高の個人承認です

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私が特に一般の方にインタビューする時に大事にすることは「名前」です。
「ご主人」「奥様」「おねえさん」など、名前のわからない方への呼びかけはたくさんありますが、緊張せず、いつもの姿で話してもらうために、タイミングを逃す前に必ずお名前を聞きます。

また、名刺交換をしたら、机に並べて話すのが日本ではビジネスマナーとされていますが、欧米では「名前が覚えられません」の証拠。名刺交換の際、「珍しいお名前ですね」「きれいな色の名刺ですね」「父と同じ名前です」など、ひとネタ会話を交わすだけで、名刺交換をただの儀式で終わらせずに済みます。

職場での責任が増すほど、部下や周りの人に動いてもらう機会が増えます。名前や人となりを大事にすることで整えられる職場環境もあるでしょう。一流と言われる人たちの人の心を掴む方法に学んでみてはいかがでしょうか。

文/八木早希


八木早希/フリーアナウンサー
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八木早希/フリーアナウンサー
1978年アメリカ・ロサンゼルス生まれ。2001年毎日放送入社しアナウンサーに。2011年フリーへ転身し、日本テレビ「NEWS ZERO」キャスターを3年間務めた。大勢の政治家、著名人、ハリウッド俳優らへインタビューなど国内外の取材経験も多数。現在は、NHK「ぐるっと関西おひるまえ」の司会を務めるほか、コミュニケーション等に関する講演活動も行っている。
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