「でも」からの卒業 / 言葉は女の武器になる!

職場でも、家庭でも、自分の居場所を心地よくするためのキーポイントとなる言葉選び。今回からスタートするこの連載では、“言葉”を仕事にするアナウンサーの八木早希さんに、大人の女性なら身につけておきたい言葉の選び方や、コミュニケーションのコツをナビゲートしていただきます。
今回は、口をついてでてしまいがちな「でも」という言葉について。実はこの言葉、会話を台無しにしてしまうワードでもあるのです。普段からつい使ってしまうという人、ぜひ読んでください。
たしなみとして言葉を武器にして、心地よい環境をつくりましょう!

「でも」はすべてを台無しにする言葉

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身近にこんな相槌をする人はいませんか?
「うん、そうだね、わかる。でもさー」
「君の言うことはわかる。でもね」

大事な相談事をしているとき、もしくは、聞いてほしいだけの他愛もない愚痴をこぼしているときでさえ、「でも」と言われた瞬間、それまでの話を「遮断」された気にならないでしょうか?

「でも」と言われた瞬間、それまでの「そうね」「わかる」は何だったの? テキトーな相槌だったのね、結局、「でも」の後が言いたいだけの繋ぎの言葉だったのね、という印象を与え兼ねません。

ましてや女子には、アドバイスや助言などいらぬ、ただ話してスッキリさせて、という、「吐き出したい」ときの話があります。そんなときの聞き手の「でも」なんて、余計も余計。

男性への「好感が持てる女性の言動アンケート」で、「明るい」「聞き上手」が入るのはよく耳にします。そして、「好感が持てない女性の言動アンケート」では「ネガティブワードを使う」が常連回答としてありますよね。

「でも」こそ、明るいとは対極の、人の話したい気持ちを萎えさせる、最強のネガティブワードなのです。

「でも」の代わりに使える便利な言葉とは?

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では、インタビューを生業とし、聞き役のプロとされるアナウンサーは、どんな言葉を使うのでしょうか?

「でも」「しかし」を選ぶことはないでしょう。
こちらを信頼して、心を開いて話してもらおうという場面で、わざわざ、真正面から否定する「でも」「しかし」は選択肢としてまずありません。
ただ、ご機嫌取りで話してもらうわけでもないので、時には、発言が偏りすぎていると思うときや私と意見が違うときなど、否定に近い事もします。その時に選ぶ言葉は

「一方で」

「一方で、反対意見の方もいらっしゃるかと思いますが、いかがですか?」

反対意見を持っているのは「私」ですが、そこも正面から行かず、特定できない誰かを出してくるのがアナウンサーのズルいところ? 円滑なコミュニケーション図る術でもあります。

「一方で、今の世代の方には通じないところもあると思いますが、いかがですか?」
これも、「古い考えだなー」を思って聞き直しているのは「私」なのですが、「でもーそんなの古いですよー」と言ったところで、大人の会話では何も生まないので、世間のせいにして話を深めようとするときもあります。

「一方で、女性の同意は得られないと想像しますが」
「一方で、子育て世代には反発があるかと思いますが」
など、自分の中のどの部分が否定したくなったかで、引き合いに出す言い方を変えてみるのはいかがでしょうか。

真正面に立たない「一方で」は、職場でのコミュニケーションに役立つでしょう。感情的にならず、矢面にも立たず、上手に意見することは、職場でも責任が増えてきた大人女子の武器になるのではないでしょうか。同時に、本心を探りたい婚活でも活かしてみて下さい。

文/八木早希


八木早希/フリーアナウンサー
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八木早希/フリーアナウンサー
1978年アメリカ・ロサンゼルス生まれ。2001年毎日放送入社しアナウンサーに。2011年フリーへ転身し、日本テレビ「NEWS ZERO」キャスターを3年間務めた。大勢の政治家、著名人、ハリウッド俳優らへインタビューなど国内外の取材経験も多数。現在は、NHK「ぐるっと関西おひるまえ」の司会を務めるほか、コミュニケーション等に関する講演活動も行っている。
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