努力すれば成果が出る、それって本当?

努力すれば成果が出るか――。その問いに対する答えは、YesでもありNoでもあります。まず、事実として、努力と成果は必ずしも比例するものではありません。特に求める成果が高ければ高いほど、努力との相関はなくなります。それどころか、「1の努力をしても成果は0」「1の努力をしても、成果はマイナス」といった場合もあります。
頑張っているのに報われていない気がする…と感じている人も少なくはないのではないでしょうか。今回は、仕事にも常につきまとう「努力」に関して紐解いて考えてみましょう。

努力は成果を得るための入場チケット

努力と成果は必ずしも比例するものではないからといって、努力は不要だということではありません。努力は必要条件のひとつで、成果を得るための「入場チケット」のようなものなのです。
努力がなければその土俵にも立てないということです。同時に、試合会場に入って周りを見渡すと、みんな入場券を持った人達が集まっている、ということでもあります。
つまり戦いはその先にあるわけです。

高いハードルを越えようとするならば、問われるのは努力の有無ではなく、努力の質であり、努力の継続です。ゴールを見据え、何をすべきかを逆算で考えてから、制約条件を踏まえてやるべきことを見定める。それができて初めて成果に近づく努力となりえるのだと思います。

努力が別の成果を連れてくることもある

努力においてもうひとつ大切な側面があります。それは、努力が「本来想定しなかった別の成果を連れてくる」ということです。
「甲子園を目指してずっと努力してきたけれど全然成果が出せなかった。でも、そこで培った忍耐力が別の場面で役に立った」というようなストーリーは、誰しもひとつくらい覚えがあるでしょう。
つまり、甲子園という成果は得られなかったけれども、形を変えて、時を超えて、別の成果を連れてくるのです。そういう意味では、「努力は裏切らない」という言葉は正しい。だからこそ私たちは、そういう「努力のパワー」を信じて励むのでしょう。

「努力は運を支配する」というのは、私が尊敬する人物のひとりでもある元ラグビー日本代表選手である故・宿澤広朗氏の言葉です。極限まで努力をした人のみが得ることができる視界なのかもしれません。その視界が得られることを信じて、ひたすら愚直に努力し続けるのみ。それ以外に選択肢はないのかもしれませんね。
(グロービス経営大学院 教員 荒木博行)

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