辞めたいくらいツライ職場を、スキルが身に付く場所に一瞬にして変える方法

先日、社会人2年目を迎える知人から相談を受けました。いわく、「上司とそりが合わなくて仕事が辛すぎる」「結局どれだけ頑張ってもスキルが身に付かない」という嘆きでした。
せっかく苦労して入社した会社ですが、このままではすぐに辞めてしまいそうな勢いです。事情はいろいろあるのでしょうが、一言で言えば「もったいない」。
そして、よく考えてみると気になるのは、「スキルが身に付かない」という言葉。確かに、簿記や英語・プログラミング、といったような分かりやすいスキルは身に付かない職場なのかもしれません。しかし、この知人が直面しているような苦しい環境であればあるほど、もっと大切なスキルが身に着く可能性があるのです。

仕事を科目に置き換えてみる

振り返れば、私自身も逃げ出したくなるような仕事はたくさんありました。私にとって、そういう環境に置かれた結果として身に着いたのは、「仕事を科目に置き換える」という少々変わったスキル(自称・珍スキル)です。 たとえば、そりが合わない上司との人間関係に苦しんだときは、「価値観の合わない上司とのロールプレイで学ぶ信頼構築術」という科目を受講しているつもりで日々仕事をするようにしていました。上司を変えられない中で、やむを得ず「そう考える他なかった」わけなのですが、結果的にそう思った瞬間に仕事が楽しくなりました。 この経験で味をしめた私は、厳しい状況に直面するたびに、「クレーム謝罪から素早く立ち直るメンタルコントロール基礎」「不信感を持つ顧客から受注を得るためのコミュニケーションスキル」「しがらみだらけの人間関係の中で挑戦!戦略的思考力応用」というように勝手なネーミングを付けて、その環境を楽しむようにしてきました。 このように「自分が置かれた立場を客観視して、ちょっとポジティブに意味付けするスキル」というのは、追い込まれた環境にいたからこそ身につけられたものだと思っています。  

社会を生き抜くために必要なスキルは経験でしか学べない

大事なことは、この「珍スキル」のように、社会を生き抜く上で必要なスキルというのは、他人の目からは見えにくい、ということです。「飲み屋で上司からコテンパンに叱られた翌日に、自分の気持ちを整理して会社で明るく挨拶ができる」、というのも素晴らしいスキルと言えるでしょうし、「大きなミスをして散々上司に対して謝った後、また信じられないミスをしたときに隠さず迅速に上司に報告できる」、というのも実は不可欠なスキルです。そして、そのような真に必要なスキルは、本や研修では決して学べません。当事者として現場で冷や汗をかいた対価として得られるものなのです。 (グロービス経営大学院 教員 荒木博行)

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