積んだキャリアは消えない!産休に入る勇気を持って

今年5月に第二子をご出産されたばかりのフリーアナウンサーの八木早希さん。実は27歳で結婚し、その後約10年は子供よりも仕事を優先してきたキャリア志向だったそうです。 同じくキャリア志向で、結婚や出産で居場所がなくなってしまうのでは…と不安を感じている読者へアドバイスをいただきました。 

撮影(トップ写真)/中西真基
ヘア&メイク(トップ写真)/吉田彩華(VAN COUNCIL EBISU)
取材・文/GINGERweb編集部 

結婚と出産はセットでなくてもいい

Licensed by Getty Images

―GINGER読者はキャリア志向の方も多く、結婚・出産のタイミングについて悩む人もいます。八木さんは20代でご結婚され、その後しばらくキャリアを優先されてきたということですが、その時の心境を教えていただけますか?

「私が結婚したのは27歳。結婚したらすぐ出産と思っていたけど、実際にしてみると、思いのほかセットではありませんでした

―と、いいますと?

「結婚したら、いきなり奥さん・妻みたいな気分になるものかなって思っていたんです。でも、意外と変わりませんでした。仕事は楽しいですし、家のことか仕事かというと、目先の仕事を取っていました。

そのため、仕事をセーブして妊活をしようとはならず、また、忙しくしながらだと意外と妊娠しにくいというのもわかって。いつか子供は欲しいと思いながら仕事を取っているうちに、キャリアの方が重なっていった感じです」

―読者の方々に聞くと、産休に入ると同じポジションに戻れないという不安があり、踏み込めないという方もいるようです。

「確かに、キャリアを止めるのも怖かったですね。出産して歩みをスローダウンさせることでポジションがなくなるんじゃないかとか、周りから信用されなくなるんじゃないかとか、そういう不安はありました」

―戻りたいという気持ちがあるからこその悩みですよね。

「そうですね。そう考えると、わたしの場合はある程度仕事をやり切って出産したパターンです。年齢的な出産のリミットも近づき、このまま仕事優先で“いつか子供が欲しい”という夢が叶わないと将来後悔しそうで、思い切って仕事よりも妊活を優先するようにしました」

キャリアを積んでいれば問題ない!

Licensed by Getty Images

―そうして、お一人目を37歳でご出産されたんですよね。感じていた不安はどうでしたか?

「産んでから思ったことは、できる仕事は意外とあるということ。数をこなしたり、長時間働いたり、量をこなすことはできなくなるけど、質は落ちないんですよね。

命を生み育てる時間は『ブランク』ではなく、自分を成長させ職場にも還元できる期間と信じています。

“10という仕事はできないけれど1でも2でも、少ない量をきっちり決めます”という信頼度でこれからは仕事をするんだなという気持ちになりました。

以前の自分のポジションが後輩に取って代わるということも当然ありうると思いながら仕事をしていましたが、まだキャリアの浅い人にはできない、私にしかできないポジションが意外とあるんだなっていうことを実感しました。

そういう意味では、恐れなくても大丈夫。時間をささげて働くような部署だったら難しいかもしれないですが、時代も変わってきているし、時間をささげることが活躍の条件でもなくなってきています。

自信を持って一旦退き、産休に入る勇気を持っていいと思いますね。

産む前は、失ったらどうしようではなくて、戻ってきたときに何ができるかなって、前向きに考えてみると、できることはあるのではないでしょうか」

―周囲の人からの評価も必要ですね。

「戻るポジションを作るために人脈を・・・というのは少し違うかもしれないですが、こういう想いでやりたいとか、自分の夢や目標を前向きに人に語ってみましょう。産んでも働きたいんだなと思ってもらえるし、周囲への意思表示にもなります。

そして戻ったときに、実際にそういう仕事ができているって思いました。昔みたいに若ければいいという時代でもありません。一回の仕事の質をどれだけ高められるかということを意識していくと、次につながると思います」

「すみません」より「ありがとう」を大切に

Licensed by Getty Images

―今、お二人目をご出産されて2ヵ月程度だと思うのですが、お仕事はどうされているのでしょう?

「ちょっとずつ復帰しています。レギュラー番組から初めて、1泊は難しいですけど、丸1日くらいだったら、徐々に遠出ができるようになってきました。

それに、最近の職場は子供に優しいと思います。私が入社したころは子供が職場にくるなんてとんでもないって感じでしたが、働き方改革なのか、育児参加している男性も増えてきているからなのか、子連れ大丈夫ですよっていうところが増えてきました。

そういう意味では、すみませんではなくて、そこに丁寧にありがとうと言っていこうと思っています。

質の高い仕事をすることを皆さんへの恩返しに、社会に入る感じですね。歳をとってできることは、決めるときに決めること。これだけやっていけば、自分のテンションも保てます。今日はいい仕事した、よし、家帰ろうみたいな(笑)。

例えば保育園に預けるにしても、一緒に過ごす時間が少なくなるからって、親の愛が減るわけではないと思います。

私も長男のとき、1歳半まで保育園に入れずに頑張っていたのですが、保育園に入れてみて、すごくよくしてくれるし母親ではできない遊びもしてくれて、もっと早く入れてあげたらよかったと思いました。これからも、メリハリをつけて生活できたらいいなと思っています」

女性が活躍する時代だからこそ、結婚・出産に踏み切れないという悩みがあります。不安を抱え込んでしまう前に、どんな人生を歩んで行きたいのか今一度考えて、周囲へ意志表示をしっかりすることで変わることがあるかもしれません。


八木早希/フリーアナウンサー
ナビゲーター
八木早希/フリーアナウンサー
1978年アメリカ・ロサンゼルス生まれ。2001年毎日放送入社しアナウンサーに。2011年フリーへ転身し、日本テレビ「NEWS ZERO」キャスターを3年間務めた。大勢の政治家、著名人、ハリウッド俳優らへインタビューなど国内外の取材経験も多数。現在は、NHK「ぐるっと関西おひるまえ」の司会を務めるほか、コミュニケーション等に関する講演活動も行っている。
このナビゲーターの記事を見る