伝えたはずなのに伝わっていない理由とは?/ 言葉は女の武器になる!

職場でも家庭でも、自分の居場所を心地よくするためのキーポイントとなる言葉選び。“言葉”を仕事にするアナウンサーの八木早希さんに、大人の女性なら身につけておきたい言葉の選び方や、コミュニケーションのコツをナビゲートしていただくこの連載。「言ったはずなのに・・・」と、自分の意向がなかなか伝わらないと思ったことはありませんか? 今回は、戦略的にプレゼン方法や言葉を選ぶためにも、知っておきたいある法則について教えていただいました。

「伝えているつもり」が、意外と「伝わっていない」?

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プレゼンや面接、ミーティングなどで、相手に対して「話聞いていました?」という事はありませんか? しっかり準備して、順序立てて伝えたつもりでも、初歩的な質問をされたり・・・。「伝える」のが仕事のアナウンサーでも、そんな経験は山ほどあります。

皆さんは、テレビでニュース読んでいるアナウンサーやタレントを観て、何かしら話しているはずなのに、それより「前髪が目に被っている」「声が変?」「マツエクが濃いな」など、他に意識を持っていかれる事はありませんか?

長年アナウンサーをやりながら、年々強くなっていた実感があります。それは、「言葉より、見た目や話し方の方が印象に残る?」ということ。

知っておきたい「3Vの法則」

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そんな経験的実感は、あるデータで裏付けされました。それは、「3Vの法則」と言われるある数字。1971年にアメリカの心理学者アルバート・メラビアンが提唱した概念で、話し手が聞き手に与える影響を、研究と実験に基づいて数値化したものです。

ここで、皆さんに質問です。

皆さんがある人から「印象」を受ける時、その印象の何%が「見た目」からきていますか? 何%が「声や話し方」からきていますか? そして、「話そのもの」の印象は何%を占めていますか?

つまり、与えられる印象が100%だとしたら、その内「見た目」「声や話し方」「話そのもの」はそれぞれ何%ずつでしょうか?

メラビアン博士が導き出した数字は、
見た目=ヴィジュアル(visual)=55%
声や話し方=ヴォーカル(vocal)=38%
話そのもの=ヴァーバル(verbal)=7%!

話の内容の印象がたったの7% !? 見た目と話し方などで93%も占めるなんて! 驚きの数字ですが、そうなのです。

やっぱり、「言葉」自体は伝わりにくい。代わりに、言語以外の目や耳からの情報はストレートに伝わるのです。

「見た目」とは容姿端麗ということではなく、TPOに合ったメイクや服装で。
「声や話し方」とは、その場に馴染む丁寧な口調で、的確な音量で話す事。そういった目と耳からの印象が整って初めて、やっと伝えたい「言葉」が素直に伝わるのです。

だからアナウンサーは、いい意味で「印象に残らない」「気を留めなくても良い」服装やメイクを選びがち。衣装は、清潔感のある白、強い印象を与えないパステルカラーで、時には「清楚」と表現されるメイクを心がけるのも、すべて「言葉」を聞いてもらうためなのです。

メイクや服装だけでなく、「緊張しているのかな?」「昨日寝ていないのかな」といった印象も含めて、言葉より先に伝わってしまう現実・・・.。

ひとまず、「3Vの法則」なるものが存在する事を知り、戦略的にプレゼン方法や言葉を選ぶのが賢明かもしれません。30代の働く女子の基礎知識として心に留めておいて下さいね!

文/八木早希


八木早希/フリーアナウンサー
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八木早希/フリーアナウンサー
1978年アメリカ・ロサンゼルス生まれ。2001年毎日放送入社しアナウンサーに。2011年フリーへ転身し、日本テレビ「NEWS ZERO」キャスターを3年間務めた。大勢の政治家、著名人、ハリウッド俳優らへインタビューなど国内外の取材経験も多数。現在は、NHK「ぐるっと関西おひるまえ」の司会を務めるほか、コミュニケーション等に関する講演活動も行っている。
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