トランプ政権に左右されないための「シナリオ・プランニング」とは?

トランプ氏がアメリカ大統領に就任しました。過去の大統領に比べても、「何をやり出すかわからない」といった不確実性にトランプ氏の大きな特徴があります。これはビジネス的に言えば、政策やその影響の振れ幅が大きい、つまりリスクが高いということに他なりません。今回は、こうした状況下で役に立つ、シナリオ・プランニングという分析手法をご紹介します。これは、いくつかの「起こりうる未来」を予め想定し、どの未来が起きてもある程度しっかりした対応がとれるように事前に備えるものです。

マトリクス図で4つの未来を描いてみる

通常、シナリオ・プランニングでは、特に振れ幅が大きく、かつ重要な影響をもたらす項目を2つ選び、それを2軸としてマトリクスを描き、4つの象限を設定します。そしてそれぞれの象限が同等に起こりうるものと考え、それが実際に起きた時にどうすべきかを検討します。今回のケースでは、例えば図のようなマトリクスが描けます。彼の「アメリカ・ファースト」の方針そのものは変わらないと思われますが、その程度が問題となりそうですので、「経済面」と「安全保障面」の2軸について、程度に応じ、異なる4つの未来を描いてみました。

ポイントは、多少の可能性の濃淡はあれ、「どの象限の未来も起こりうる」という点です。今まではさんざん過激な発言を繰り返してきましたが、いざアメリカの大統領という、世界に最も影響力を持つポストに実際に座ってしまえば、それほど過激なことはできないだろうという見方もありますし、一方で、トランプ大統領なら本当にとんでもないことを一気にやりかねないという可能性もあります。こうした未来をいくつか認識し、それぞれへの対応を考えておくことが「転ばぬ先の杖」となるのです。

不確実な時代だからこそ事前の思考実験を

今回はトランプ大統領にフォーカスしましたが、その他にもEUの行く末など、世界は不確実性に満ちています。ただ、不確実だからと諦めてしまうのではなく、不確実だからこそ、事前の思考実験が大切な時代になってきている点は認識しておきたいものです。

(グロービス経営大学院 嶋田毅)

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