自分の「好き」を知る方法~本多さおりさんvol.1

目標を持って未来へと突き進んで輝く女性に、自分らしさを見つけるヒントや輝く秘訣を教えてもらう連載「Women be Ambitious」 。今回は、『片付けたくなる部屋づくり』(ワニブックス)、『とことん収納』(大和書房)など、多くの収納本の著者である本多さおりさんにインタビュー。第1回目は、好きなことを仕事にしたいと思いながら、20代半ばまで、好きなことがわからなかったという本多さんが、天職と呼べる整理収納コンサルタントとして輝き始めるまでをお届けします。

自分を知らないと、無理をしてしまう危険

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―好きなことを仕事にする夢を叶え、整理収納コンサルタントとして大活躍されている本多さん。やりたいことや好きなことが見つけられず、悩みを抱えている読者も多いので、好きなことを仕事にするまでの経緯を教えていただけますか?

「私も、20代半ばまで好きなことがわからず、悩みを抱えていたひとりです。

大学でジェンダーや女性の社会進出について学んでいたせいか、自分は会社でバリバリ働きたいと思い込んでいて、新卒の就職活動では総合職で働けるところを探しました。結果、金融系の総合職として採用していただいたのですが、働いてみて、“私は男性と肩を並べて働くような人じゃなかった”ということに気づいたんです。

あのときは、自分のことをまるでわかっていませんでした。

一般職の人は制服を着てお茶を出すような会社でした。わたしはどちらかといえばそちら側に向いている人間なのに、どうしてパンツスーツを着て、男性と一緒に営業回っているんだろうって・・・。違和感がどんどん辛くなってしまって。でも責任感からその気持ちを出さないようにふるまっていたら、体を壊して入院して、会社に行けなくなってしまい、1年で辞めてしまいました」

―それは大変でしたね。

「すごくいい会社で、働きたいと言って入社したのにすぐ辞めてしまったことに、自己嫌悪に陥ってしまって。人生で一番の挫折を味わいました。
そして進んできた道が、自分には向いていないことに気づいたはいいものの、じゃあ次はどちらに行けばいいのか。真っ暗になって道が見えなくなってしまって・・・それからもだいぶもがきました」

好き!と思って飛び込んでもしっくりこないこともある

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―その後、すぐ整理収納コンサルタントという仕事に?

「いいえ全然。どの方向に進めばよいかわからなくなってしまって、せっかく大学を卒業したのだから正社員で働かなくちゃという焦りもあり、とにかく正社員になろうと活動して。でも、なかなか決まりませんでした。

とりあえず派遣で働こうと、オフィスワークをしてみたり、その後は単発の印刷所の仕事や、株主総会のアナウンスの仕事をしてみたり、本当にいろいろやりました。

でもずっと心の中にあるのが、私は好きなことがやりたい。
好きなことを仕事にしたい。だけど、好きなことがわからない。という矛盾でした。

それで、その当時カフェが好きだったのでカフェで働こうと思って。楽しく働いてはいたのですが、すごく忙しいお店だったこともあり、また体を壊してしまいました・・・。そこでもまた挫折。

その後、結婚したタイミングで一度仕事をリセットして専業主婦になりましたが、やはり何か仕事をしたいと思い、高校生の頃からの夢だった無印良品のスタッフを2年ほど経験しました。この時身につけた無印良品の商品知識は、今の仕事にも役立っています。

けれども結局いつもわたしは何がやりたいのかという振り出しに戻り、特に20代前半は心身共にボロボロでした」

「好き」は探すものではない~道が開けた瞬間

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―それからどのようにして、自分の「好き」に気づいたのでしょう?

「よく相談にのっていただいていた方に話したら、好きなことって探すことじゃないよ、今やっていることだよ。特別なことじゃない。今でもついやってしまうこと。と言われて、ハッとしました。

あ、私、片付けてる!って。

いろんな職場を点々としましたが、行く先々で、整っていない職場の環境を放っておけませんでした。

ものの配置、定位置が決まってないと気持ち悪くて、頼まれなくても収納システムを構築して、それで重宝がられたことも多々。

また、新卒で就職した会社の同期に、当時のデスクの収納術を見てこれはすごい才能だよって言ってもらったことが、なんとなく記憶に残っていて。

でも、わたし自身は、片付けが好きなこととか得意なことっていう意識がありませんでした。自然に“つい”やっていたことだったから。

タイミングよく同じ時期に、整理収納アドバイザーという資格があるということを知って、取りました。それと同時期くらいにブログを始めて。どんどん見てくださる方が増えていって。

あぁ、掃除や片付けが好きだったんだなって改めて思いました。
その後、整理収納コンサルタントの資格を取得し、個人向けの整理収納サービスの仕事を始めました」

好きを探るヒントは幼少期にもある

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―気が付いたら片付けていたとのことですが、小さいころから片付けが好きだったのでしょうか?

「そうですね。家族全員片付けベタで。家が散らかっていたので、いつも私が掃除していました。今思うと、小さいころから好きだったんだと思います。

『天空の城ラピュタ』や『魔女の宅急便』など、ジブリの作品を観るのが好きだったのですが、ジブリの作品って、掃除のシーンが多いんです。
ギトギトのキッチンをピカピカにしたり、ホコリだらけの屋根裏部屋を水で流して掃除したり・・・。そのシーンにすごくときめいて、何度も掃除の部分をリピートして観ていたことを覚えています」

―すごいですね! そのお話を聞くと、20代半ばまで好きなことがわからなかったというのがすごく不思議に思えてくるのですが、あまりにも日常に落とし込まれ過ぎていたために、気づかなかったのかなとも思います。
以前の本多さんのように、今好きなことがわからずモヤモヤしている人たちへ、アドバイスをいただけますか?

好きなことを探すのをやめてみましょう。
自分がやっていることのなかで、ついやってしまうことを思い返してみてください。疲れているときでもできることって、好きなことだと思います。

料理が好きな人って、疲れて帰ってきてもキッチンに立ちたいって人多いですよね。
それと同じで、私は疲れていても片づけたい。寝る前に散らかっていたらリセットしてから寝たいし、翌朝目覚めたときに気持ちよく1日をスタートさせたいと思うのです。

寝不足でもついネイルは塗っちゃうとか、落書き程度でもつい絵を描いちゃう、思っていることを文章にしたがっちゃうとか、何かあると思います。

この“ついやっちゃうこと”がキーワード。ついやってしまうことこそ、好きなことだと思います」

好きなことを仕事にしたい!と何年も模索し、自分と向き合ったことで好きな仕事で活躍されている本多さん。外側を見るよりも、内側に目を向けた方が、好きなことは見つかりやすいのかもしれません。この機会に、新基準で考える“自分の好きなこと”にとことん向き合ってみましょう!

本多さおり
整理収納コンサルタント。2010年に始めたブログ「片付けたくなる部屋づくり」が大人気となり、その後個人宅向けに片付けがラクで長続きする収納方法を提案するサービスを開始。訪問数は200軒以上(育児のため休止中、今年再開予定)。著書は『片付けたくなる部屋づくり』(ワニブックス)、『とことん収納』(大和書房)など多数。

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