朝を制す者は報われる。美しい朝の過ごし方を身につけよう!

日に日に朝の空気がひんやりし始め、お布団の温もりが心地よい季節になってきましたね。ふかふかの誘惑に勝てずに2度寝をしてしまって、大慌てで仕事に向かうなんてことも。そんな寝坊した日に限って、忘れ物をしたり、仕事でミスをしたりと、ツイテないことは連鎖するもの。 毎日が“いい一日”であるために、世界で活躍する禅僧・枡野俊明氏の禅のお話を聞いてみましょう。

一日の始まりはその日を決める

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一日の始まりである朝をどんな形で迎えるか。これは重要なテーマになります。朝寝坊をした朝のことを思い出してみてください。あわてて布団やベッドから飛び起き、寝ぼけまなこで洗顔も歯磨きも、女性ならお化粧も身支度もそこそこに、朝食もとらず、家から飛び出す、というドタバタ劇が展開するのではありませんか?
心に余裕がないから、途中で忘れ物に気づいて引き返さなければいけないかもしれないし、会社にもギリギリに滑り込むことになる。態勢が整わないまま仕事に向かっても、能率が上がるわけがありません。早朝に会議でもあったら、ロクな発言もできず、一人だけ蚊帳(かや)の外。「会議があることは前からわかっているじゃないか。会議のときくらいしっかり準備をしておけよ」。そんな苦言も聞こえてきそうです。

悪い縁を作らないために

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すべての因は朝寝坊にあります。そこに悪い縁が生じ、結果が悪く出てしまう。悪循環のなかで一日が過ぎていくことになるわけです。そして、一日の終わりに嘆きが口をついて出る。「ああ、今日は縁起の悪い一日だったなぁ」。
その因を変える。つまり、朝早起きをするとそこにはよい縁が生じます。出かけるまでの時間に余裕があるから、身支度もゆったりできるし、朝食もしっかりとれます。朝食の準備のために動くことで体もめざめ、脳も活発に働き始めるでしょう。

一日を美しく生きるために

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食後のお茶やコーヒーを楽しみながら、スッキリした頭で新聞に目を通せば、新しい情報が見つかるかもしれない。また、仕事のアイディアが浮かぶことだってある。通勤電車のなかでは、会議に備えて発言しようと思う内容を再確認したり、論理の展開の仕方をチェックしたりすることもできるのです。
朝を「しまった、どうしよう」から始めるのと、「よし、今日も一日頑張ろう」から始めるのとでは、結果の違いはおのずから明らか。仏教でいう「良因良果、悪因悪果」の理(ことわり)のなかで私たちは生きています。その日の自分を整える、一日を美しく生きるためのカギは、朝が握っています。

枡野俊明
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枡野俊明
曹洞宗徳雄山建功寺住職、庭園デザイナー、多摩美術大学環境デザイン学科教授、ブリティッシュ・コロンビア大学特別教授。玉川大学農学部卒業後、大本山總持寺で修行。禅の庭の創作活動によって、国内外から高い評価を得る。芸術選奨文部大臣新人賞を庭園デザイナーとして初受賞。ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章を受章。2006年に「ニューズウィーク」誌日本版にて、「世界が尊敬する日本人100人」に選出される。庭園デザイナーとしての主な作品に、カナダ大使館、セルリアンタワー東急ホテル日本庭園など。著書に、『禅、シンプル生活のすすめ』『禅-シンプル発想術-』『人間関係がシンプルになる禅のすすめ』『禅の庭』ほか多数。常に、老若男女に向かって、日本の美しさについて説いている。
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