なんて複雑で、面倒で・・・【E-girls山口乃々華連載 ののペディア/晴れた日に考えること】

E-girlsメンバーの山口乃々華さんが、瑞々しい感性で綴る連載エッセイ「ののペディア」。今、心に留まっているキーワードを、50音順にひもといていきます。

第26回「は」:晴れた日に考えること


すこしだけ窓があいている。

閉じたままのカーテンがふわふわと風に揺られる。

影は、大きくなったり小さくなったり。


今日は、晴々とした気持ちのいい天気。
それなのに、外に出ようと思えない。


床に映った影の輪郭が、うすくぼやけて広がり、重なり合いながら大きくなる。
そしてはっきりと色濃くその姿を表すように、ありのままのサイズに戻る。小さくなる。

まるで、呼吸しているみたいに膨らんだりしぼんだり。ピタリと止まったかと思えば、今度は、いびきをかくみたいに勢いよく舞い上がったり。


そんなものをずっと眺めながら考え事をしていた。


***


最近、“意思を貫く”ことや、“想いの強さ”みたいなものがよくわからなくなっている。

とても難しいことのように思えるのだ。


例えば、子供の頃のように
絶対にこれが食べたい!と誰かとケンカすることは、『わたしはこれが食べたいんだ』という強い意思を示し、それを貫こうとすること。

そんなことをする人が2人いると、“想いの強さ比べ”でケンカになるのだろう。

食い意地、は置いておいても、この頃のわたしはその“想いの強さ比べ”をしていない気がするのだ。


くだらないケンカは大人になるとしなくなる、というか、無意識に避けていく。


人と向き合えなくなったのかな・・・と思ったりもしたけれど、
きっとそうではなくて、大人になるにつれて、意思を譲れるようになっただけだ。

自分の思考回路に納得できれば、我慢というものができるようになった。


日々を積み重ねていくなかで、いろんな人と出会い、視野を広げ、思い通りにいかない悔しさを経験して・・・そんなことを繰り返してきた。

面倒なところでいちいち突っかかるよりももっとスムーズに、楽に生きるための、術を身につけたのだ。


それにはいい面もあれば、悪い面もある。

いつのまにか、譲ること、我慢することで自分を守っていたかもしれない。

でもそれでは、わたしの心がいなくなってしまっていた。


受け入れすぎてもだめ。
受け入れられなくてもだめ。


人との関わりや、自分の気持ちとの折り合いのつけ方は、なんて複雑で、面倒で、はっきりしないものなのだろう、と思う。

はっきりしないものとうまく向き合いながら、心をわたしのものにしておくには、その都度、大事なものを選ばなくてはいけない。

それがとても難しいと思う。


難しいけれど、これだけは確かだと思えること、
それは、想いを無かったことにしてしまうのは、やめたほうがいいということ。

とにかく、やめてみようと思う。

委ねることもしない。されない。

自分の心はやっぱり自分のもの。


そう思ったら、またシンプルなものに思えてきた。


これからもたくさん悔しい思いをして
たくさん傷ついて
そんな経験を重ねながら、大事なものを見極められるようになりたい。


***


晴れた日には、こうして心の掃除をするのが好きだ。

心の内を人に吐き出すことには、少しのこわさがあるけれど、そんなことをしなくても、
太陽の光が、心の中をきれいにしてくれる。


【ののペディア/晴れた日に考えること】
心の掃除

山口乃々華 / E-girls
ナビゲーター
山口乃々華 / E-girls
3月8日生まれ、埼玉県出身。2011年にLDH主催の「VOCAL BATTLE AUDITION 3」を経て、2012年発売の「Follow Me」よりE-girlsとしてデビュー。2014年から女優業もスタートし、映画「イタズラなKiss THE MOVIE」シリーズ、ドラマ・映画「HiGH & LOW」シリーズやHulu版「崖っぷちホテル!」にも出演する等、活動の幅を広げている。 E-girlsとしては New Single「別世界」が発売中! また今年は、E-girls PERFECT LIVE 2011▶2020 6年に一度のPERFECT YEARだからこそ実現する、これまでのヒット・シングル曲で作られるE-girlsの魅力あふれるベストライブが決定している。詳しいLIVE情報はこちらから→http://www.ldh-liveschedule.jp/e-girls-perfect-live-20112020/ 
このナビゲーターの記事を見る