スタイリスト青木貴子「おしゃれを彩るモノ語り」~新年を迎えるお飾り

ファッションのみならず、食やインテリアまで、自身のこだわりに叶ったモノに囲まれた心地よい暮らしを楽しむ、スタイリスト青木貴子さん。選んだひとつひとつのアイテムに、特別な想いがあるそう。
青木さん自身のスタイルを構築している要素 = 身のまわりのモノについて、 お気に入りの理由、そのアイテムの魅力や背景、使い心地や着心地、 どんな時間をそのモノと共有してきたのか・・・・など、大切なモノたちにまつわる物語を綴っていただきます。(編集部)

新年の始まりを大切に愛でる

あっという間に(いつもあっという間ですが・・・)1月も終盤! これがあと11回で今年も・・・なんて思うと、うかうかテキトウな毎日を過ごしていてはいけないなぁ〜と思います(すぐ忘れちゃうけど、笑)。

さて、今月初めのお話になってしまいますが、お正月を迎えるにあたって行う古くからの習わしといえばお正月のお飾り(6世紀半ば以前から存在しているという説も! 古墳時代、飛鳥時代の前⁉)。私はこれが大好き。年々簡略化していてサボり気味だけれども、いつもよりは丁寧に大掃除をして玄関のドアにしめ縄、入り口に生花、そしてリビングに鏡餅を飾る。綺麗になってすっきりとした空間にお正月を迎えるしつらえをすると清らかな心持ちになれ、新しい年を迎えるぞっ!ていう気分になれるから。以前は体裁だけ整えていたように思うけど、いつの頃からかこのお飾りをよりこだわって楽しんで選ぶようになりました。同じ飾るなら見ていて気持ちが上がる素敵なものがいいでしょ。

しめ縄は大好きな馴染みの花屋さん、神宮前のFUGAにて購入。FUGAのしめ縄は毎年本当にとっても素敵。基本は店頭で飾ってあるものにちょっとアレンジを加えてもらいます(熊手みたいにお飾りを足す感じ)。
しめ縄は神様を祀るにふさわしい神聖な場所であることを示す意味があります。しめ縄を飾ることで「ここは歳神様が安心していらっしゃれるところです」ということを神様に向かって発信しているわけですから、素敵なしめ縄でお知らせしたいものです(笑)。さて知っている方も多いと思いますが、飾る日は選びましょう。たいていクリスマス過ぎから飾る家が多いと思いますが、避けるべきは29日。「二重苦」と「苦」を連想させるからNG。31日は「一夜飾り」と言って新年までたった1日しかなく神様に失礼とされています(30日は旧暦の晦日にあたり、これも最後の日という意味を持つのでよくないとか)。一番いいのは末広がりの28日だそうです。なので我が家はたいがい28日に大掃除を慌ててして、29日にならないうちにしめ縄を飾るというパターンです。

鏡餅は真空パックのものを飾るのはどうにも味気ない気がして嫌で、生のお餅を買うことにしています。見た目の風情が全然違っていいですょ。最近はなかなかないのですが、お餅は青山の「紅谷」さんで求めています。鏡餅はしっかり11日にお下げして、無病息災を願いながらお雑煮ときな粉餅にして頂きました。包丁で切ってはいけないので頑張って手で割って(笑)。数日お供えしてあるから結構ポロポロ簡単に! 真空パックのだとこうはいきません。

生花は適当にアレンジ、今年は正統派な雰囲気に仕上げました。しっかり南天を入れて縁起かつぎ(難を転じ福となす)。なんとこの松と蘭はまだまだ綺麗に玄関を彩ってくれています‼ 蘭はちょっとお高い気がしますが、すっごい長く楽しめるのでかえってリーズナブルなお花、オススメです。

玄関の他にもちょっとお正月っぽくアレンジした花や植物を飾っていますが、これなんか可愛い格好いい感じがしませんか? 仏手柑というミカン科の果実。仏様の手のようだというのが名前の由来。端兆の果実として知られ縁起がいいものだそうです。末広がりで見るからに福々しく私的にはこれは今年のヒットです。

最後にたくさんではないけれど、毎年何品か作っているおせち。今年はしとやかにお重に入れてみました。お重に入れるだけで華やかさと本格的感が漂いますよね。馬子にも衣装と言いますが、手作りおせちに重箱。相当出来栄えが上がって見えます(笑)。左のお重は「山田平安堂」の物。右の大皿は自作デス。

お正月のしつらえは年々楽しさを増し、お正月が来るのがより一層楽しみになりました。歳神様をちゃんとお迎えすると、普段とは違った空気が漂う。そして特別な力を授けていただける、そんな気がするのです。

写真・文/青木貴子


青木貴子/スタイリスト
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青木貴子/スタイリスト
ファッション誌、広告などで幅広く活躍する人気スタイリスト。著書『センスは「ある」ものではなく「磨く」もの おしゃれ方程式』(PHP研究所)では、役立つおしゃれハウツーを指南。お気に入りレシピと器について綴った料理本『友だちを呼ぶ日のごはん、わたしのごはん』(扶桑社)も人気。ファッションに関するインスタグラム(@takako_aoki_stylist)を開始。ぜひフォローを!
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