待ってました!再開しはじめた美術館の気になる最新事情

こんばんは、アートテラーのとに~です。
全国で緊急事態宣言が解除され、5月下旬あたりから首都圏以外の美術館や博物館はぼちぼちと再開しはじめましたね。6月に入ってからは、都内の美術館、博物館でも再開するところが増えてきました。
美術界にとっては、久しぶりに明るいニュースです(東京アラートが発令されて、まだ余談は許さない状況ではありますが・・・)。


ちなみに、先日公開の記事でお届けした国立西洋美術館での“ロンドン・ナショナル・ギャラリー展”。本来は3月3日(火)~6月14日(日)の会期で開催される予定でしたが、(開幕日未定)〜2020年10月18日(日)に会期が変更となりました。これは嬉しいサプライズ!
また、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催されるも、コロナの影響によりたった10日で閉幕してしまった“超写実絵画の襲来 ホキ美術館所蔵”が6月11日(木)~6月29日(月)の日程で再開幕することも決定しました。三密には十分に気を付けつつ、これらの機会を逃さないようにしましょう。


というわけで、本日は都内の美術館再開事情をレポートいたします。

トーハクが再開

新型コロナウイルスの影響で、どのミュージアムよりも早く2月27日から臨時休館していた東京国立博物館、通称トーハク。6月2日に約3ヵ月ぶりに再開しました。

といっても、全フロアでの再開ではなく、本館1階や平成館の考古展示室、法隆寺宝物館1階のみの部分再開。東洋館は6月24日から再開するそうです。
また、IKKOさんが広報大使を務める特別展“きもの KIMONO”は、長らく開幕が延期となっており、中止の可能性も高かったですが、6月30日(火)~8月23日(日)の日程で開幕されることが報じられました。着物好きの皆様は、きっと「どんだけ~!」と喜んでいらっしゃることでしょう。

僕も早速、再開したトーハクを取材してきました。再開にあたって大きく変わったのは、事前予約制が導入されたこと。オンラインで申し込む必要があります。さらに、入館の際には検温を実施。37.5度以上の熱がある場合は入館をお断りするそうです。
なお、マスクの着用も義務づけられています。来館の際には、マスクをお忘れなく!


ファビュラスな展覧会

6月2日より渋谷区立松濤美術館で開催されているのは、“真珠 ― 海からの贈りもの”。こちらはタイトルの通り、ずばり真珠をテーマにした展覧会。古今東西の真珠のジュエリーが一堂に会した豪華絢爛な展覧会です。

《シードパールティアラ》 19世紀初期 イギリス 穐葉アンティークジュウリー美術館

展覧会場は2つのフロアに分かれて、地下1階の展示室では、古代オリエントからルネサンス、ロココ、そして19世紀末から20世紀初頭にかけてのヨーロッパのジュエリーが紹介されています。もちろん、これらのヨーロッパのジュエリーに使われている真珠は養殖ものではなく天然もの。真珠を巧みにデザインに取り入れたゴールドセットや、芥子の実サイズの小さなシードパールと大粒のパールを組み合わせたティアラなどが、ごろごろ展示されていましたが、一体、このフロアにあるジュエリーだけで、総額いくらになるのでしょうか??

《ネックレス「ガーランド」》 ミキモト装身具 図案1919年 製作1985年 ミキモト真珠島 真珠博物館

続く2階の展示室では、明治38年に御木本幸吉が真円真珠の養殖に世界で初めて成功したことで、一気に花開いた日本の真珠のジュエリーの数々が紹介されています。養殖真珠とはいえ、デザインのセンスはヨーロッパにもまったく引けを取っていません。むしろ、日本のほうがオシャレかも?(あくまでも個人の感想です)
ちなみに入館日当日に真珠を身につけて来館された方は、通常料金から2割引で入館できるそうですよ(パールは人造物でも可とのこと)。

真珠 ― 海からの贈りもの
https://shoto-museum.jp/exhibitions/188pearls/


あの朝ドラでも話題の画家

4月18日より開催予定だった東京ステーションギャラリーでの“神田日勝 大地への筆触” が、6月2日に開幕しました。こちらは北海道を代表する画家の一人、神田日勝の没後50年を記念して開催される、東京では実に42年ぶりとなる大規模な回顧展です。

《馬(絶筆・未完)》1970年 神田日勝記念美術館

北海道の開拓民として、農業をしながら絵を描き続けた神田日勝。過労がたたって体を壊し、わずか32歳で急逝しています。そんな彼の絶筆にして代表作でもあるのが、《馬(絶筆・未完)》。
未完成ではあるものの、上半身の毛並みは1本1本丹念に描かれており、毛並みの感触や馬の体温が画面から伝わってくるようです。永遠に未完のままで絵の中に閉じ込められた馬。その姿は、どこか切ないおとぎ話のようで、心が揺さぶられるものがあります。

《一人》1964年 北海道立近代美術館

実は何を隠そう、神田日勝は昨年のNHK朝の連続テレビ小説『なつぞら』に登場した山田天陽のモチーフとなった画家です。それゆえに、神田日勝本人は何ら悪くないのですが、彼の自画像を観たときに、「いや、どこが吉沢亮だよ!」というツッコミが頭をよぎってしまいました。吉沢亮さんというよりも、霜降り明星のせいやさんですね。

 神田日勝 大地への筆触  
https://kandanissho2020.jp/


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美術の魅力をわかりやすく、面白く伝える、世界でただひとりの”アートテラー”。よしもと芸人時代に培った話力と笑いのセンスで、アートを語ります。日本を代表する数々の美術館で、公式トークガイドを担当。著書『東京のレトロ美術館』(株式会社エクスナレッジ)『ようこそ! 西洋絵画の流れがラクラク頭に入る美術館へ』(誠文堂新光社)が好評発売中。
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