私的絵画案内~マルガリータ王女との再会を願って


【Fromエディターズ】マルガリータ王女は、ベラスケスの代表作のひとつ「ラス・メニーナス(女官たち)」の絵の中央で愛らしく佇んでいる、小さなお姫様です(描かれた時点では5歳らしい)。

17世紀スペインのマドリード、フェリペ4世のアルカサル内にあったベラスケスのアトリエで描かれたといわれるラスメニ(注 : 私の勝手なる省略です)。西洋美術史においてとても重要な作品なのですが、それについてはシロウトである私が、ずうずうしくここで語るのもなんなので、控えさせていただきます。(構図も題材も語りどころ満載なので、興味のわいた方はぜひ調べてみてください)

私とマルガリータ王女の出会いは、本物の「ラスメニ」をマドリードのプラド美術館でみる以前のこと。それはバルセロナのピカソ美術館でした。つまり、ピカソが描いた、ラスメニのマルガリータ王女だったのです。

ピカソが描いたマルガリちゃん(私物のポストカードより)

一緒に旅していた、大学時代の女友達(西洋美術の授業を取っていた)が「これは、ラス・メニーナスだね」と言ったのを、何かの呪文かと思った、ラスメニを知らない当時の私、27歳。しかし、ピカソが描いたラスメニへのオマージュともいうべき連作はマルガリータ王女(と召使の女性マリバルボラ)の絵がやたらと多く、デフォルメされたラスメニはある意味すごくオシャレで、私の心をつかんだのでした・・・。

何かが強く自分の心に刺さるとき、それは運命の重なりというか、縁を感じる事件(おおげさ!)が続くものです。
旅から戻ってしばらくして、「美の巨人たち」(テレビ東京の美術番組)でラスメニの背景を詳細に知った私は、この1枚の大作に秘められたあれこれ・・・秘めたるドラマ、隠されたメッセージなどに、私の大好きなミステリー性を感じて、がぜん前のめりに。以降、美術本などを読んで、それなりの「ラスメニ」ツウに至ったのでした。

Licensed by Getty Images

そして、さらに数年後には、ついにプラド美術館で、本物のマルガリータ王女に謁見いたしました。

重々しい絵のなかで、王女だけが白いドレスの効果もあってか、愛らしく無垢(むく)な明るさを纏(まと)っていて、ほかの登場人物は何やら不穏な、陰気な表情で憂鬱(ゆううつ)に息を潜めている感のあるラスメニ。しかし、絵のなかのベラスケスも、奥の鏡の中に映し出されたフェリペ4世と王妃マリアナも、私にとっては遠い存在ではなく、写真で(絵だけど)そうと知らされていた親戚との対面のような心持ちに(笑)。

さらに、この絵にやたら縁(えにし)を感じるのは、もしや私がマルガリータの生まれ変わりだからなのでは?(←笑うとこ)などと、分析してみたり。とにかく、こんな暗い絵に(失礼!)、どうしてシンパシー感じているんだ?という自分にツッコミいれつつも、ラスメニはこの出合いからの経緯も含めて、今も私の思い入れNo.1絵画という位置にあるのです。

プラド美術館のミュージアムショップで入手した絵本『プリンセスと画家』
ラスメニが描かれた1日の模様を題材にしたストーリー
絵画の中に描かれた人物が登場していて愉快。もちろんベラスケスの姿も

さて、こんなたわいのないMyストーリーを長々と書いたのには、理由があります。2018年2月24日から、久しぶりに「プラド美術館展」が東京(@国立西洋美術館)で開催されます。しかも、タイトルに「ベラスケスと絵画の栄光」ってあるじゃないですか! 

こ、これはもしや、マルガリータ王女と、まさかの東京で再会か!? ベラスケスの作品7点を軸に構成されるという触れ込みに、しばらく心を躍らせた私でしたが、ラスメニはその重要性、サイズ(318×276cmと巨大)からも、展示貸し出しはない、といわれているだけに、まあ、それは・・・ないかと心を鎮める私。(美術展のHPをジロ見した結果、やはりラスメニの来日はないようです。でも他にいい作品はたくさん展示されますよ)

――でも、この美術展のニュースを知り、久しぶりに、ラスメニについて想いを馳せる時間を楽しみました。ラスメニは、プラド美術館のあの大きな展示室の特等席に飾られているからこそ、威厳も有難味もあって、マルガリータ王女に「会・え・た!」感が高まるわけで。やはり、こちらから会いに行かないと!

近い将来、マドリードからのバルセロナ、あるいはその逆ルートでも構わない。ベラスケスとピカソのマルガリータ王女を、続けて鑑賞する旅に出たいと思います。点と点を線で結ぶ旅へ。(GINGERweb編集部 HIRAYAMA)

プラド美術館展
https://artexhibition.jp/prado2018/

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