進化が止まらない美しさ!女優・倉科カナさんに聞く、自分らしく輝く秘訣

昨年は1989年に中国で起こった天安門事件を背景にした舞台「チャイメリカ」、ドラマ「ミラー・ツインズ」、「湊かなえ ポイズンドーター・ホーリーマザー」など出演作が続き、ハードな1年だったと振り返るのは女優・倉科カナさん。

精力的に活動する彼女が語る仕事とプライベート、そして2020年の目標とは? 年齢を重ねるとともに増す輝きの秘訣が見えてくるはず!

撮影/田中雅也

コツコツと積み上げて手に入れたご褒美

2月28日(金)から、東京・世田谷パブリックシアターで上演される劇作家/演出家・倉持裕氏の最新作「お勢、断行」で初めて舞台で主役を演じることが決定した倉科さん。東京公演を皮切りに、愛知、島根、兵庫、香川、長野にてツアー公演が行われます。

「主役のお話をいただいたときは、驚きとともに不安も大きかったです。私は引っ張っていけるタイプではないですし、牛歩で進むタイプ。派手ではないけれど、これまでひとつひとつのお仕事に真摯に取り組んできた努力が報われたような気がして、今ではご褒美をいただいたように感じています。

舞台のお仕事はドラマよりも共演者の方々と濃密な時間を過ごすので、その人の本質が見えてきます。ときには距離感の取り方が難しいこともあります。できるだけ皆が居心地のいい空間がつくれたらいいなと思っています」

怖さもあるけど舞台が好き

「観るのも演じるのも舞台がすごく好きです。プレッシャーはありますが、稽古期間が1ヵ月から1ヵ月半ほどあるのでその点で安心感があります。共演者の方々がいて、舞台上で会話が生まれるからあまり緊張はしないです。

台詞覚えがいいほうではないので、事前の準備は念入りに。ひたすら延々と自宅で台詞を読み上げて、たまにギャルっぽく話してみたり、自己流のアレンジを加えることでなるべく楽しみながら覚えようとしています(笑)。舞台『チャイメリカ』のときは、稽古に入って3、4日目には台本持たずに芝居するスケジュールでかなり苦労しました」

新たに作り上げる悪女“お勢”

「お勢、断行」で倉科さんが演じるお勢は、江戸川乱歩の短編集にある「お勢登場」という作品の主人公。本作ではそのお勢をモチーフに、江戸川乱歩の作品世界を踏襲しつつ、まったく新たな物語が展開されるそう。悪女として知られるお勢。どのような役作りに取り組むのでしょうか。

「お勢は悪女だけれど、他の登場人物もほぼ悪人なんです。『お勢、断行』は悪なりに許せない悪がある、悪の中にも正義があるというのがテーマになると思います。例えば自分も殺人を犯した身であるけれど、老人を騙す詐欺を働く人間は許せない、とか。だから自分自身も悪人であるという軸を持ちながら、悪について考えるところから始めようと思っています。

日々の役作りでは特に気持ちを落とさないといけない役柄のときに、いろいろとリサーチすることが多いですね。出演作品の時代背景と同年代の映画をたくさん観て仕草や声の出し方を勉強したり、目の前で子供を亡くした母親の役を演じたときは、罪悪感や自責の念を抱く必要があったので親子の写真を台本に挟むなど、自分なりに工夫をして気持ちからその役と向き合います。

舞台はメイクが決まると、基本的に自分でメイクをします。演出家さんやメイクさんの意見に合わせますが、時々イメージがあると自分のアイデアをお伝えすることもあります。そういった工程からも舞台は役者自身によるところも大きく、役者としてだけでなく、ひとりの人間として積み重ねてきたものが見えてくると思います。妖怪の役など、どんな役もありの世界なので役者としての振り幅も広がるし、心技体ともに鍛えられます。

ドラマや舞台など、作品ごとに異なる役柄。出演作品が同時に進行することも稀(まれ)ではありません。そういった環境のなかにあっても、切り替えは苦ではないと話す倉科さん。

「現場ごとにキャストやスタッフが異なることが切り替えになります。昨年は重たい役柄も多く、3つの作品が並行する時期もあったので、さすがにバテていましたけど(笑)。

仕事とプライベートについては、仕事中心の生活でオン・オフの切り替えがうまくできていなかったのですが、最近はバランスが取れるようになってきました」

外に目を向け、世界を広げる

がむしゃらに仕事をしてきた20代。30代になり、働き方や休日の過ごし方を見直し、今の自分にとって心地よいスタイルが見えてきたそう。

「20代はいただいたお仕事をとにかく一生懸命やっていて、自分の時間がないくらいびっしり仕事を入れていました。でも30代になってインプットの時間を増やすようになりました。

仕事中心の生活だったため、休日はほとんど家に引きこもっていたのですが、今は外に出ていろいろな人に会うように心がけています。スカッシュにハマっているし、ダンスを習おうかとも考えているほどアクティブに。昨年10月にはインスタグラムを始めて、ファンの皆さんからコメントをいただけるのがうれしいですね。不慣れなことも多いのですが、動画撮影が楽しいです。

正直なところ、ひとりでいることがすごく楽なんです。でも外に出て誰かと話してみると自分にはない考え方を持っている人がたくさんいて、関わることで自分の新たな一面を発見することもあります。殻にこもることは簡単だけど、いろいろな刺激を受けて仕事に活かしていきたいなと思っています」

最後に今年最初の舞台「お勢、断行」への意気込みを伺いました。

「倉持さんの舞台はブラックユーモアたっぷりでセンスが良くて、観ているだけでときめくんです。自分は絶対にこうしたいと決めつけるのではなく、そこで生まれたものを大切にされている演出家さんだなという印象が強いです。だからこそ今回の舞台もいい意味で意気込みすぎず、失敗を恐れず、そこから良いものを生み出せたらいいなと思っています」

大変だったことや苦労したことはあまり覚えていないという倉科さん。それはその日にできなかったことは毎日のように反省し、自分なりに考える習慣から、どんな経験をも成長の糧としてポジティブに変換していることの証であるように見受けられました。女優として着実に進化を遂げる倉科さんから、今年も目が離せません!

撮影:山添雄彦

『お勢、断行』
【原案】 江戸川乱歩
【作・演出】倉持裕
【音楽】斎藤ネコ
【出演】倉科カナ、上白石萌歌、江口のりこ、大空ゆうひ、正名僕蔵、梶原善ほか
【日程】2 月 28 日(金)〜3 月 11 日(水)
【会場】世田谷パブリックシアター
https://setagaya-pt.jp/


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