スマートな彼のマナー。それって、見せるための 気遣いかも

気遣いができる男はモテる!?  はたしてこれは本当なのか?
レディファーストをそつなくこなす彼 。一見 、スマートに気遣いができるとときめいてしまいそうだけれど、ちょっと待った! 数々のだめんずを見てきたプロ、漫画家の倉田真由美さんが、いい気遣いとダメな気遣いの見極め方を指南します。

“相手のため”の気持ちが、“自分のため”になってしまうと気遣いは失敗

“結婚するなら、気遣いができる男を選べ”といいますよね。でも、気遣いって実はとても難しい。気遣いと思ってやってくれたことが、“押し付け”や“自己満足”になってしまうこともとても多い。
特に、一般的にレディファーストといわれるマナーに関しては、ちょっと疑問に思うところもありますね」と言うのは、漫画家 の倉田真由美さんだ。

過去に数々のだめんずとも付き合った経験を持つ倉田さんだからこそ、 見えてきたという気遣いの本音。レディファーストのようなわかりやすい気遣いは、 "見せるための気遣い"だと表現する。

「もちろん、レディファーストが染み付いていて、上手にできる方もいます。でも、日本の男性はやはり欧米の男性に比べて不慣れな方が多い。 それをあえてして、スマートにこなすということは、ある種、外へ見せるための、“僕は気遣いできるんですよ”的なアピールが強い。 
10代、 20代前半のころまではそういった男性を素敵と思ったこともありました。でも、結婚するとレディファーストとか見せる気遣いとかどうでもいいですよね。
実際にうちの夫とか、いわゆるレディファーストなことなんて何もしてくれません。でも、締め切りで徹夜明けの日、気付くと朝ゴミを出している。忙しそうだと子供の送り迎えを済ませている。あ、そこそこ、ってところを変な主張なくフォ ローしてくれている。すべてを完璧にフォローしてくれるわけではないですが、私が求めている気遣いと波長が合っていると思いますね」

 倉田さんが 20 代のころ、この“見せるための気遣い”で恋愛テンションが 下がってしまった経験があるという。それはある日、倉田さんがボーイフレンドと歩いていたときのことだ。突然、倉田さんのショルダーバッグがひったくりにあってしまったのだ。でも、そのバ ッグは2000円ぐらいのもので、しかも使い古し。中にお財布は入っていなかった。
倉田さんとしては、 びっくりしたものの「大丈夫よ、危ないから追いかけないで !! 」と言ったの に、ボーイフレンドのテンションはマックス。
「コラーー !! 」と全速力で犯人を追いかける。周囲も何事かと大騒ぎに。 彼はかなりの距離追いかけるも、犯人は結局捕まらなかった。 

「犯人を追いかけてくれた彼には感謝の気持ちもあります。ひったくりは悪いことだから捕まえるべきだけ ど、私の気持ち以上に彼のテンションが高くなってしまったことに、何 かモヤッとしてしまった。結局、その事件で時間が取られてしまい、デ ートも中途半端に。彼はそのあとも追いかけた武勇伝をみんなに話していたけど、なんか私の気持ちは置いてきぼりな感じがあって、結局わかれてしまいましたね」

気遣いをしている自分に酔ってしまう、 あなたのためにという思いが強くなったら、気遣いは“おせっかい”になる

ひったくり事件のボーイフレンドも最初は正義感や大切な倉田さんに何をする!という思いからの行動だったに違いない。しかし、気配りはしだいに変化してしまう。相手のことを思ってしたつもりが、押し付けだったり、いいことをしている雰囲気に酔ってしまうというパターンだ。

「これは、男性だけではないと思います。女性にもあること。例えば、彼のために、彼が喜ぶから、とせっせと彼に尽くす。でも、その“彼のために”が彼が実は求めてないこと、望んでないことだった場合、いろいろしてあげてもそれは気遣いではなく、“おせっかい”に変わってしまう。それがおせっかいだと気付かないと、“こんなにも彼のためにしてあげたのに、喜んでくれないなんてひどい”ということになってしまうわけです。これって独りよがりな思いですよね。“相手のためにこんなにもしてあげたのに“という感情は、すでに気遣いではないですよね。相手に見返りを求めていないか、というのは、気遣いをするときの尺度になると思いますね」

そういった意味でも倉田さんは現 在パートナーといい距離感を築いているという。必要以上に過剰に尽くさないし、相手に過剰な見返りも求めない。今自分ができることをこなし、もしもパートナーにできないことがあって自分に余裕があればフォ ローする、それがとても心地よいバランスだという。

「余裕がなければ気遣いはできない。 無理をする必要はないと思います。 無理な気遣いはストレスしか生まないですよね。そんな無理な気遣いといえば、喫煙もそうですね。最近、 喫煙できる場所が少ないので、吸える場所でも無理して吸わない人が多い。でも、喫煙できる場所であれば堂々と吸えばいいと思います。それは吸う人の権利でもあるのだから、吸わない人はとやかく言わない。これは吸う人への気遣いですよね。
たまに、喫茶店の喫煙スペースに座って、“煙が―― !!”と怒っている人を見かけますが、あれはマナーとしてよくないですね。吸う人だけが気遣うのではなく、吸わない人も吸う人に気遣う、そんなバランスがいい関係だと思いますね」

さて、あなたの気遣い、そしてあなたの周りの人の気遣いは、はたして見せるためのものか、自己満足のものか、ちょっと冷静に観察してみ るといいかもしれない・・・。

イラスト/田中シェン 
取材・文/伊藤まなび

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