それだけで、ちゃんと伝わる。【E-girls山口乃々華連載 ののペディア/側にいること】

E-girlsメンバーの山口乃々華さんが、瑞々しい感性で綴る連載エッセイ「ののペディア」。今、心に留まっているキーワードを、50音順にひもといていきます。

第15回「そ」:側にいること

自分の問題なのだから

誰かを頼りにしてはいけないような
誰かに寄りかかってはいけないような

そんな気がしていた。

側にいること。
近くにいること。
たったそれだけの行動が、
あのときのわたしを、おおきな安心感で包んでくれた。

となりにいる人の体温と、呼吸を感じる。
それだけ。

・・・

一人前になるためには
誰にも頼らず、わたしが持っているこの足りない脳みそで、考え抜くことが必要だと思っていた。

誰かに相談しようとしてみるけれど、
わかってもらえないだろうな。と諦めることや、
今さらこんなことを話したところで、意味ないか。とスッと冷めた気持ちになってしまうことがあった。

わたしの勝手な妄想かもしれないけれど、
そんなときに決まって感じていたのは、
周りとわたしの心の距離が、昨日よりもさらに遠いこと。
このまま日を重ねるごとに、どんどん離れていきそうで、取り返しがつかなくなりそうで、こわかった。

助けて欲しいのに、誰に、なにを、どこから話したらいいのか、わからない。
どうしたら、助けてもらえるんだろう。
何を言っても、もう届かないんじゃないか。

そう思うと、ポツンと、わたしだけ暗い世界にいるような気持ちになった。
みんなはいいな、明るくて、楽しそうで、なにかに守られてるみたいで。
きっと違う世界なんだ。
羨ましい。
なんて、そんなことを思ったりもした。

そんなとき、さりげなくわたしのとなりにきて、座ってくれた人がいた。
何気ない行動だったのだろう。
けれど、わたしはおおきく安堵した。

となりで呼吸をしているのがわかる。
体温を感じられる。
それだけで、さっきまでの暗い思い込みの世界から、ちょっとずつ抜け出せそうな気がしてきたのだ。

助けられた。
ただ側にいてくれただけなのに
救われてしまうなんて、

そんな力があったなんて、知らなかった。

もし、わたしが逆の立場なら
下手になにかしたら、傷つけてしまうかもしれない。それなら、近づかない方がいいんじゃないか・・・
と、距離をとる選択をしていただろう。

でも、
わたしが受け取る側になってみて
ただ、側にいてくれるだけでいい。
ということに気がついた。
それだけで、ちゃんと伝わるものなのだ。

何を、そんなに強がっていたんだろう。
背伸びしているのかもしれない。
子供の頃のように甘えることはもうできないし
誰かにわたしの全てを託して、しがみつくこともやっぱりできないから
いまは、このまま少し背伸びをし続けるしかないのかもしれない。

でも、側にいてくれた人には
少しだけ寄りかかってもいいんだ。
それは、許されているみたい。

今度は、わたしが誰かの側にさりげなく寄り添えるような人になりたい。

【ののペディア/側にいること】
ただそうしているだけで、人を救えること。


山口乃々華 / E-girls
ナビゲーター
山口乃々華 / E-girls
3月8日生まれ、埼玉県出身。2011年にLDH主催の「VOCAL BATTLE AUDITION 3」を経て、2012年発売の「Follow Me」よりE-girlsとしてデビュー。2014年から女優業もスタートし、映画「イタズラなKiss THE MOVIE」シリーズ、ドラマ・映画「HiGH & LOW」シリーズやHulu版「崖っぷちホテル!」にも出演する等、活動の幅を広げている。この夏は7月10日(金)全国ロードショー映画「私がモテてどうすんだ」にヒロイン役にて出演! BL大好き妄想ヲタク女子なのに・・・4人のスーパーイケメンDK(男子高生)にモテまくる!? 笑って!歌って!踊って!抱腹絶倒のミラクル☆ラブコメディ!
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