あなたは大丈夫? 和室での基本中の基本マナーを押さえて、モテ美人さんを目指しましょう

近頃の住居ではめっきり少なくなった和室。普段接する機会が減ったことにより、和室ならではの所作を学ぶ機会が少なくなってきています。 お座敷での会食、旅先で訪れる畳敷きの場所など。知らないと恥をかく、和室ならではのタブーがあることをご存知でしょうか?  所作を整えれば、日本人女性としての美しさを磨ける。世界で活躍する禅僧・枡野俊明著『禅が教えてくれる美しい人をつくる「所作」の基本』から、美しい人になるためのお作法を学んでみましょう。

和室ならではの所作

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若い世代には、これまで一度も畳の部屋で暮らしたことがない、という人がかなりいます。ですから、無理はないともいえるのですが、和室には独特の所作があることを知らないようです。
しかし、社会人になると、接待などで和室を使う機会も出てきますから、知らないではすまされません。そんな場面で心得のある人から「あぁ、なんということを!」と眉を顰(ひそ)められるようなことをしたら、いくら仕事の能力があっても、人としての評価は大幅に下がってしまいます。

畳のヘリは踏まない

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畳のヘリを踏まない。これは和室の所作の基本中の基本です。常在戦場、つねに戦いに備えておくことが必要だった武家社会では、床下に潜んでいる敵に襲われるということもありました。畳はヘリの部分で合わさっていますから、そこを踏んでいると、突き抜けてきた刀の切っ先で痛手を負う、ということがあったのです。これが、時代を背景とした、ヘリを踏まない合理的な理由。

平安時代の畳は・・・

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もうひとつは文化的な理由です。畳が貴族の間で使われるようになったのは平安時代ですが、当時は大変な高級品でした。ヘリには藍染めなどで染色された絹や麻が用いられていたのです。植物で染めた布は色が落ちやすかったうえ、とくに麻は耐久性が低く擦り切れやすかったため、ヘリを踏むことは御法度(ごはっと)とされたのです。

歴史を学んだ上でのマナーこそ

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もっと重要なのは、ヘリは格式をあらわすものだったという点です。もっとも格式が高かったのは「繧繝縁(うげんべり)」と呼ばれるもの。これを使うことを許されたのは天皇、皇后、上皇といったごくかぎられた高貴な人たちだけでした。また、格式そのものである紋をあしらったヘリ(紋縁)もあったのです。
そのヘリを踏むことは、文字どおり、格式を踏みにじることです。こうして畳は静かに歩き、決してヘリは踏まない、という文化が定着しました。単なるマナーとしてではなく、その文化的背景も心得ていてそれができる人は、日本の美風を体で表現できている、といっていいでしょう。ぜひ、そんな人になってください。

枡野俊明
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枡野俊明
曹洞宗徳雄山建功寺住職、庭園デザイナー、多摩美術大学環境デザイン学科教授、ブリティッシュ・コロンビア大学特別教授。玉川大学農学部卒業後、大本山總持寺で修行。禅の庭の創作活動によって、国内外から高い評価を得る。芸術選奨文部大臣新人賞を庭園デザイナーとして初受賞。ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章を受章。2006年に「ニューズウィーク」誌日本版にて、「世界が尊敬する日本人100人」に選出される。庭園デザイナーとしての主な作品に、カナダ大使館、セルリアンタワー東急ホテル日本庭園など。著書に、『禅、シンプル生活のすすめ』『禅-シンプル発想術-』『人間関係がシンプルになる禅のすすめ』『禅の庭』ほか多数。常に、老若男女に向かって、日本の美しさについて説いている。
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