『ラ・ラ・ランド』を観たならこれもぜひ!『シェルブールの雨傘』

2017年のミュージカル映画、もしくは恋愛映画の代表作と言えば『ラ・ラ・ランド』が挙げられるかと思います。そんな『ラ・ラ・ランド』のビターなテイストがお好きだった方に観てほしい映画、それは『シェルブールの雨傘』です。この映画の魅力を今回はお届けします。

映画『シェルブールの雨傘』とは?

『シェルブールの雨傘』は1964年に公開され、今日まで多くの方に愛され続けている傑作ミュージカル映画です。

「そんな古い映画なんて興味ないよ」という人も、『ラ・ラ・ランド』がお好きなら絶対に楽しめます。

『シェルブールの雨傘』では、互いに愛し合っていた傘屋の少女と修理工の若者が、戦争に引き裂かれ、別々の人生を歩くまでを描きます。この映画の凄いところはほぼすべての台詞がミュージカル調であるということ。どんなミュージカル映画でも普通の台詞がありますが、この映画はほぼありません。

感情を歌に乗せて表現することで、戦争に引き裂かれ翻弄される男女の心が切なく私たち観客に届く演出となっています。

今ではフランスの大女優となったカトリーヌ・ドヌーヴがヒロインを演じており、そのチャーミングさは今日まで多くの観客を魅了してきました。

DVDでもご覧頂ける作品ですが、10月14日よりデジタルリマスター版の劇場公開も一部劇場で公開が決定しています。
http://cinema-enchante.com/

魅力1:戦争に翻弄される若い男女の恋愛模様

本作の物語は王道ともいえる切ない男女の恋愛模様を描きます。ギィ(男性)とジュヌヴィエーヴ(女性)は若くして惹かれ合うも、戦争の召集令状により2年の兵役を課せられるギィ。兵役へ赴く前にふたりは結ばれジュヌヴィエーヴは身ごもります。
本当ならば2年間彼を待ち続け、感動に再会…!となれば良いのですが、戦地から手紙も届かず安否の不安も募る日々。現代以上に女性がひとりで生きていくのは難しい時代。
そんな時に彼女の前に誠実な男性ローランが現れます。ローランは彼女に求婚。宝石商という仕事による経済的安定、そしてギィとの子を自らの子のように育てると誓うローラン。
ただお金持ちが現れるだけなら断る余地があるものの、ローランは怪しさもなく本当に誠実な男性。(最後の最後まで!最後に騙していたなんてこともなし!)
そんな状況下で彼女が下した結論、そしてその後の展開は…ぜひ映画をご覧ください。

魅力2:感情がダイレクトに伝わる歌の数々

前述の通り、本作はほぼすべてが歌のシーンで構成されるミュージカル映画です。
今年公開された『ラ・ラ・ランド』は台詞を中心に構成されているシーンはありますし、2012年に公開された映画『レ・ミゼラブル』でも、普通の台詞のシーンが多少あります。
しかし『シェルブールの雨傘』はとにかくほぼすべてが歌なのです。だからこそ、感情が私たちの心にダイレクトに伝わってきます。
今の世の中、さまざまな方法で映画音楽を聴けるようになっているので、映画鑑賞後にサウンドトラックを聴いて、その世界観を頭の中で蘇らせる楽しみもまた粋かなと思います。

魅力3:カラフルな映像、インスタの参考にも…?

1964年に公開された作品なので、「映像の魅力はどうなの…?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、そんなことありません。
むしろ、とてもカラフルな映像が魅力的。ノスタルジックで、観ていて心躍ること間違いなしです。
インスタブーム真っ只中の現代においては、この映画のワンシーンがみなさんのインスタの参考になることもあるかもしれません。
映画は物語や演技が魅力的と語られることが多いですが、映像の美しさや可愛さを、ほかの何かの参考にすることは、もっともっとあっても良いのではないかと思います。
ぜひ本作のカラフルな映像をみなさんのインスピレーションの参考にしてみてください。

『シェルブールの雨傘』は、『ラ・ラ・ランド』のように少しビターな味わいのある映画です。
恋愛映画だからといって、キュンキュンするものではなく、誰もが幸せになれるものでもありません。しかし、それこそが魅力。ビターな結末、美しい映像、心に入ってくる音楽の数々は、みなさんの心に宿ること間違いなし。
この機会に是非ご覧になってみてください。

文/柳下修平
(C)Cine-Tamariss photo by Agnes Varda (C)Agnes Varda

柳下修平/映画メディア編集長
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柳下修平/映画メディア編集長
映画メディア"シネマズby松竹"編集長、映画ブログ"Cinema A La Carte"運営。映画の楽しさ、面白さを発信することを主眼としてポジティブな言葉で新旧映画の情報を発信。1986年生まれ B型。
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