季節の器を愛でる、楽しむ~スタイリスト青木貴子のモノ語り

ファッションのみならず、食やインテリアまで、自身のこだわりに叶ったモノに囲まれた心地よい暮らしを楽しむ、スタイリスト青木貴子さんの連載「おしゃれを彩るモノ語り」。選んだひとつひとつのアイテムに、特別な想いがあるそう。 青木さん自身のスタイルを構築している要素 = 身のまわりのモノについて、 お気に入りの理由、そのアイテムの魅力や背景、使い心地や着心地、 どんな時間をそのモノと共有してきたのか・・・など、大切なモノたちにまつわる物語を綴っていただきます。
今回は、夏に出番が増えるという「硝子(ガラス)の器」にまつわるストーリーです。(編集部) 

四季があるから、楽しめること

春夏秋冬がはっきりしている日本では、季節の移り変わりを楽しむという感覚がとても発達しているような気がします。
今回のモノ語りは食いしん坊バンザイ!の私が大切にしている夏器をご紹介します。

日本はおしゃれにおいては各シーズンの装いを満喫できるし(常夏だと冬の格好は出来ないし、寒冷地だと薄着は必要ないですもんね)、食でも季節ごとの旬を味わうことが叶う豊かな風土。いま世界的に日本の食文化の意識の高さや味覚そのものが評価されていますが、その感度の高さはちゃんと四季があることに由来しているのではないかと思います。日本の食の評価は味そのものだけではなく、繊細な美意識を感じさせる盛り付けや器選びにも注目が集まっています

食器はとっても大切。オシャレする上で服選びやコーディネートが大事なように、お料理においては素材や器選びが重要なファクターとなります
せっかくステキな服を持っていてもコーデイネートがイケテナイと格好良く見えないように、丹精込めて作ったお料理も器がイカしてないと美味しそうに見えなかったりします。

また、季節に合ったオシャレをするとウキウキしたり楽しいですよね? それと同じで季節に合った器を使うと目で愉しめ、食の喜びが格段増します! 旬をさらに愉しむためには、器選びにもこだわることをオススメしたいと思います!とくに夏らしい硝子の器は気持ちが盛り上がります。

写真の器はもう何年も前に、当時中目黒にあったHIGASHIYAで購入。涼やかでありながらどこかはんなりした色合いに惹かれて。眺めているだけでもその佇まいが可愛らしく、「あー、こんな器に載せたらなんでも映えて美味しそうに見えるな」と一目惚れ、即決でした(笑)。どの色も素敵だったのと、おもてなしなどで使うときに一つ一つ色が違うのもかえって面白いと思ってその時あった各色を揃えました。

平茶碗なのでお抹茶は勿論のことお料理から水菓子まで、広範囲に使えるところも魅力。凝ったお料理でなくとも“見目麗しいちゃんとした一品に見える”というバイアスをかけてくれる、心強い器でもあります。

この器を使うと夏が来たという実感が増します。いつものごはんも夏仕様に見えて、また新鮮な気持ちになるのです。我が家では今時分から冷菜などがより一層引き立つ硝子の器を使う頻度が増えていきます。器も季節のお料理に合ったものがしっくりくるし、なんといっても断然美味しそうに見えます

ごはんタイムがさらに美味しく楽しくなる、器も衣替えをしてみませんか?

文/青木貴子
撮影/植一浩


青木貴子/スタイリスト
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青木貴子/スタイリスト
ファッション誌、広告などで幅広く活躍する人気スタイリスト。著書『センスは「ある」ものではなく「磨く」もの おしゃれ方程式』(PHP研究所)では、役立つおしゃれハウツーを指南。お気に入りレシピと器について綴った料理本『友だちを呼ぶ日のごはん、わたしのごはん』(扶桑社)も人気。
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