ついに再開!アーティゾン美術館の注目ポイントを徹底解説

こんばんは、アートテラーのとに~です。
早いものでもう7月。2020年は折り返しを過ぎたのですね。本来であれば今月、東京オリンピックが開催されていたと思うと・・・こんな2020年を誰が予想できたでしょうか。

美術界もかなりコロナウイルスの影響を受けていますが、先月から徐々に再開する美術館が増えてきました。7月に入り、浮世絵専門の太田記念美術館をはじめ、三井記念美術館、菊池寛実記念 智美術館、すみだ北斎美術館が再開。さらに、SOMPO美術館やサントリー美術館も再開を決めました。まだ安心はしきれない状況ですが、少しずつ美術界が日常を取り戻しつつあります。
東京・京橋にあるアーティゾン美術館も、このタイミングで再開した美術館のひとつ。今回は、そんなアーティゾン美術館の魅力をまるまるお届けいたします!

帰ってきた美術館 

1952年、京橋に当時都内ではめずらしかった西洋美術の美術館が誕生しました。それがブリヂストン美術館。株式会社ブリヂストンの創業者、石橋正二郎が新築した自社ビルの2階に開設した美術館で、自らが収集したコレクションを公開しました。長年この地で愛されてきましたが、大々的な建て替え工事のために2015年に惜しまれつつも一時閉館。

そして2020年1月、満を持してオープンしたのが、ブリヂストン美術館改めアーティゾン美術館です。「ARTIZON(アーティゾン)」は、「ART(アート)」と「HORIZON(ホライゾン=地平)」という2つの言葉を組み合わせた造語。ブリヂストン美術館という名前に慣れ親しんだ時代が長いので、今はまだ新たな名前にしっくりきていませんが、きっと『さまぁ~ず』や『くりぃむしちゅー』のように、いずれしっくりくるようになるのでしょう。

変わったのは館名だけではありません。ブリヂストン美術館時代は2フロアでしたが、アーティゾン美術館は、なんと3倍の6フロアに! 1階から6階までがアーティゾン美術館 になりました。

そんなアーティゾン美術館の4階展示室で現在開催されているのは、約2800点のコレクションの中から選りすぐりの名品を紹介する“石橋財団コレクション選”。
アーティゾン美術館の顔ともいうべき、ルノワールの名画《すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢》を筆頭に、セザンヌ、ピカソ、ロートレック、ドガ、マネ・・・などなど、西洋絵画の巨匠たちの名品の数々が惜しげもなく公開されています。

カンディンスキーや、クレー、印象派の女性画家たちによる新収蔵作品も。
新型コロナウイルスの影響で、海外から美術品を借りるのが困難な今。しばらく日本で西洋美術をまとめて観ることはできないかも、と覚悟していましたが・・・いやいや、日本にはアーティゾン美術館があるじゃないか! 


すべらない展覧会

石橋財団コレクションと現代アーティストとの共演、それがジャム・セッション。アーティストと学芸員がコラボレーションする展覧会で、毎年開催していく予定だそうです。

その記念すべき第1弾となる「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×鴻池朋子 鴻池朋子 ちゅうがえり」が、現在6階展示室で絶賛開催中。今もっとも人気のある現代アーティストのひとり、鴻池朋子さんとのコラボ展です。

オオカミや蜂、山、毛皮、オリジナルキャラの“みみお”など、鴻池さんの代表的なモチーフが登場する作品で会場は埋め尽くされていました。まさに鴻池ワールド全開。石橋財団コレクションであるクールベやシスレーといった西洋絵画の巨匠の作品も展示されていましたが、完全に鴻池さんの作品世界の一部と化していて、圧倒的な世界観! まるで鴻池さんの頭の中にそのまま入り込んでしまったような錯覚に陥ります。

特に圧巻だったのは、会場の中央を占める新作のインスタレーション作品。円形に襖絵が設置されています。その周囲をぐるっと囲むスロープのようなもの。「何だろう?」 と思いながら、そのスロープを進んでいくと、最終的にすべり台に行きつきました。引き返すのもなんなので、すべってみることに。ん? あれ?? 傾斜がそこまで無かったからか、それとも長いことすべり台をすべっていないからか・・・途中で止まってしまいました。
それも含めて、すべらない展覧会です。お後がよろしいようで。


見どころはアート以外にも

4階、5階、6階の展示室でそれぞれ展覧会が開催されているアーティゾン美術館。チケットはすべて共通となっています。「展覧会3つ分なんてお高いんでしょ?」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、日時指定予約制のウェブ予約チケットなら、なんと¥1,100! しかも、大学生・専門学校生・高校生は無料(要予約)です!

さて、その得したぶんで立ち寄りたいのが2階にあるミュージアムショップ。オリジナル商品を中心にステーショナリーからファッション、インテリアなど幅広いグッズが取り揃えられています。なかには、オリジナル歯ブラシやオリジナルモバイルバッテリーも。

また、併せて寄りたいのが1階のミュージアムカフェです。フレンチをベースにした独創的なメニューは、見た目も味もまさにアート。ランチには本格的なコースも楽しめますよ。

次の休日、アーティゾン美術館で一日のんびり過ごしてみては?


アーティゾン美術館
https://www.artizon.museum/
※料金は展覧会により異なります。


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美術の魅力をわかりやすく、面白く伝える、世界でただひとりの”アートテラー”。よしもと芸人時代に培った話力と笑いのセンスで、アートを語ります。日本を代表する数々の美術館で、公式トークガイドを担当。著書『東京のレトロ美術館』(株式会社エクスナレッジ)『ようこそ! 西洋絵画の流れがラクラク頭に入る美術館へ』(誠文堂新光社)が好評発売中。
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