夜の過ごし方で女度は変わる。美しさを導くためにやってはいけないこととは?

夜に考え事をしてもなかなか解決策が見つからない……ってこと、ありませんか? それだけか、ますます悩み事の不安は大きく深まっていき、悶々としたまま眠れない夜を過ごしてしまう。 働く女性にとって、夜の時間帯は明日を健やかに迎えるための貴重な時間。不安に囚われて無駄な時間を過ごさないためのテクニックを、世界で活躍する禅僧・枡野俊明氏から学んでみましょう。

夜の考え事は不安なことだらけなのは何故?

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環境は、私たちの思いや行動に少なからず影響を及ぼします。夜の闇のなかにたった一人でいる。その環境が心理に働きかけて、考えを悲観的な方向にむけるのです。思いが負のスパイラルに陥る、といっていいかもしれません。
その証拠に、眠れない夜が明けて朝になると、絶望的に思えたことが、たいがい「なあんだ、たいしたことじゃないじゃない」ということになる。その朝の感じ方が、心配事や悩みの正確なレベルなのです。「へたの考え休むに似たり」という言葉がありますが、それに倣(なら)えば「夜の考えやめるにしかず」です。そのためには心配事の本質、不安の正体を知っておくのがいいですね。

達磨大師と慧可大師のエピソード

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禅の始祖である達磨(だるま)大師とその後継者となった二祖・慧可(えか)大師の間に、次のようなやりとりがあったことが伝わっています。
修行を重ねるなかで、慧可大師はどうしても不安から逃れられないことに悩みます。悩み抜いた挙げ句、どうにもならなくなり、慧可大師は師僧に相談するのです。
「いくら修行をしても、不安でたまりません。なんとかこの不安を取り除いていただけないでしょうか」
話を聞いた達磨大師はこともなげにこういいます。
「そうか、わかった。すぐにも不安を取り除いて、おまえを安心させてやろう。だから、その不安とやらをここに持っておいで」
慧可大師は不安を探し求めますが、いくら探しても見つかりません。そこで率直にそのことを師に告げます。
「不安を探したのですが、どこにも見つかりません」
すると、達磨大師はこういうのです。
「さあ、おまえの不安は取り除けた。もう、安心できただろう」

不安の正体とは?

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それで慧可大師は得心するのですが、さて、何がわかったのでしょうか。不安に実体などないということに慧可大師は気づいたのです。不安は自分の心が勝手につくり出しているものにすぎない。どんなに重くのしかかっているように思えても、心をちょっと変えたら消えてなくなってしまう。それが心配事、不安の正体です。
夜、不安に心を占領されそうになったら、このエピソードを思い出してください。探したって見つからないんだから、うっちゃっておこう。そう思えますよ、きっと!

枡野俊明
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枡野俊明
曹洞宗徳雄山建功寺住職、庭園デザイナー、多摩美術大学環境デザイン学科教授、ブリティッシュ・コロンビア大学特別教授。玉川大学農学部卒業後、大本山總持寺で修行。禅の庭の創作活動によって、国内外から高い評価を得る。芸術選奨文部大臣新人賞を庭園デザイナーとして初受賞。ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章を受章。2006年に「ニューズウィーク」誌日本版にて、「世界が尊敬する日本人100人」に選出される。庭園デザイナーとしての主な作品に、カナダ大使館、セルリアンタワー東急ホテル日本庭園など。著書に、『禅、シンプル生活のすすめ』『禅-シンプル発想術-』『人間関係がシンプルになる禅のすすめ』『禅の庭』ほか多数。常に、老若男女に向かって、日本の美しさについて説いている。
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