「大人のいい女に必要なこと」とは? スタイリスト青木貴子がナビ

いい女になりたいという気持ちは大いにあれど、でも、具体的にはどうしたらいい? 恋も仕事もおしゃれも、自分にフィットするスタイルを模索中のアラサー世代。
素敵な先輩女性の声に耳を傾けて、“これから” の自分について考えてみませんか?
女性ファッション誌や広告で活躍する傍ら、エッセイストや料理家としても知られる青木貴子さん。「大人のいい女に必要なこと」をテーマに、青木さんが考える“魅力的な女になるためのヒント”を書いていただきます。必読の隔週連載スタートです!

「 いつでも脱げるひと」

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いつでも脱げるひとって、ちょっと素敵だ。
脱ぐ? 何をって、服を全部脱ぐみたいな話じゃないですよ(笑)。いざというときに臆することなく颯爽と脱げるひとって魅力的だね、というお話です。

潔い所作にひとははっと目を奪われる

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流行りの厚手のセーター、アランニットとか可愛いですよね。それ、外ですぐ脱げますか?厚手のニットはちょっと気を付けないといけないアイテム。最近は暖房が効きすぎたところも多いから、猛烈に暑くなってセーターを脱ぎ捨てたくなったりする(とくにレストランでの食事中とか)。そのときパッと脱げ…なかったりする。セーターは可愛いけど、その下のTシャツがテロテロだったり、ババシャツ(は、いまどきあんまりいないかな?)だったり。見えない部分はおざなり、が原因。暑いケドがまん。すると気分が悪くなる、汗でお化粧も浮いてくるなんてことに。

でもちゃんと、一枚で着ても素敵だなってくらいお洒落なカットソーやチャーミングなTシャツなんかを着ていれば、パッ!と脱げる。やおらセーターを脱ぐ様を見た周囲のひとは「わ、いいの!? 脱いじゃって、いいの!!」、その潔い所作にはっと目を奪われ、どきっとします。脱ぎっぷりがいいのってなんだか格好いい。自信にあふれている感じが、見ている人を魅了する。おまけにセーターの下のインナーですら手を抜かないお洒落っぷりに一目置かれたりする(かもしれない、笑)。

かちっとしたジャケットの下が肌の露出の多いノースリーブだったり、マニッシュなコートを脱いだらフェミニンなワンピースだったり、そんな脱ぐことのギャップをさらりと見せられるひとも、相当に魅力的。

靴を脱いだときにばれちゃう!? だらしなさと清潔感度

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予期せず突然やってくることが多いのが、靴を脱ぐ機会。食事先が思いがけずお座敷だったり、仕事先の事務所にいったら靴を脱ぐようなしつらえになっていたとか(小さい会社ってこういうことあります)。そこで思わずひるんだことありませんか?

冬はとくにブーツのときが要注意。基本見えないからと適当な柄のソックス、色の合わないタイツ、伝線したストッキング…。出かけるときに、「ま、いいか見えないし」なんて自覚した時に限って憂き目にあいがち(笑)。そんな姿はだらしなく、テキトーな印象を醸してしまう。コーディネートはつま先まで、すべてを揃えることがやっぱり重要。

あと汚いインナーソール(靴の中敷き)も見せられるとゲンナリ。いくら綺麗な服装をしていても、靴の中が黒ずんでいたり汗ジミがあったりすると「見えないところはそんな感じなのね、家とか汚いのカナ?」なんて想像しちゃいます(実際比例しそうですが…)。インナーソールは意外とその人の汚れに対する耐久度というか感度を浮き彫りに。あとメンテの行き届いてない靴も脱ぐと余計にくたびれ具合が目立つもの。靴を脱いでいる間中見られないようにソワソワしているようじゃ、笑顔も凍りついちゃいます。

脱ぐことで表現できる魅力って?

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脱ぐことが出来るのは身に着けるものだけとは限らない。決まりきったスタイルから脱却するのも脱ぐことのひとつ。いつも同じ髪型、似たような色の服、定番にしているメイク。これって実は、気に入ってるのか気を抜いてるのか微妙なところでは? 会うたびとまではいかなくても、がらっと違うスタイルで現れるひとには「どんだけ引き出しがあるんだろう」って興味がわく。いい意味でのちょっとした裏切りが出来る様は小気味好く、それは固まった印象を脱ぐことで表現出来る。

そして気持ちをさらけ出せる素直さっていうのも魅力的だと思う。心の鎧を脱ぐ、みたいなイメージ。でも、これがなかなか出来ない。とくに気になる相手には臆してしまうことも。でもね、ストレートな想いがひととひととの距離をぐっと縮めてくれる。こだわりや思い込みを脱ぎ捨てる軽やかさはやっぱり素敵。

“ひと肌脱ぐ”という言葉がありますよね? 他人に対して本気になって力を貸すというような意味なんだけど、そんなふうに出来るひとって、気風がいいイメージでやっぱり魅力的に思える。ひと肌の下に隠れている真心に感銘を受ける。

そうか、脱ぐって行為が素敵に思えるのは、普段は見えない部分が見えるからなのか、突き詰めて言うと。秘められた部分をさらりと見せられる潔さ、だから“いつでも脱げるひと”って素敵なんだ。

文/青木貴子


青木貴子/スタイリスト
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青木貴子/スタイリスト
ファッション誌、広告などで幅広く活躍する人気スタイリスト。著書『センスは「ある」ものではなく「磨く」もの おしゃれ方程式』(PHP研究所)では、役立つおしゃれハウツーを指南。お気に入りレシピと器について綴った料理本『友だちを呼ぶ日のごはん、わたしのごはん』(扶桑社)も人気。ファッションに関するインスタグラム(@takako_aoki_stylist)を開始。ぜひフォローを!
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