そのぶん、きっと。【E-girls山口乃々華連載 ののペディア/さよなら】

E-girlsメンバーの山口乃々華さんが、瑞々しい感性で綴る連載エッセイ「ののペディア」。今、心に留まっているキーワードを、50音順にひもといていきます。  

第11回「さ」:さよなら

胸の奥底が重たくて苦しい。

たのしかった時間との、それをともに過ごした人との、
さよならの瞬間。

これまで、何度となく経験してきた。
ありきたりに日常に溢れているし、
いちいち感傷的にならないほうが生きやすいとわたしは思う。

でも今回は、今までスルーしていた「さよなら」の瞬間の気持ちを、おもいっきり見つめてみようと思う。
実は大したことないなんて思っていないことに、気がついてしまったから。

・・・

“さよなら”から連想するものはなんだろう。

例えば・・・その日の終わり。
産まれて、呼吸をはじめてから、何度も何度も経験してきた。
1日には必ず終わりがくる。
夜お風呂に入って、深夜のニュース番組が始まったりするときにポッと感じる、なんとも言えないさみしさ。

蛍の光の音楽にも、さよならを感じる。
学校帰りのあの道、家に帰らずにいつもの場所で友達とずーっと話していたら、ふと流れてきた、あのスピーカー音の切ない感覚。

夕焼け空。
空の色がさっきまでの明るさから変わり始めて、黄金色に染まったとき。
なんとなく、やっぱりさみしい。
1日の終わりとは少し違うさみしさ。

鍵を閉められた時の音。
人と別れたそのあと、わたしがその場を去る側だと聞いてしまうことがある、ガチャン!の音。
1人になった途端しん、と静まる空気。

・・・

大きな“さよなら”は十分な覚悟をして迎えることができる。
しかし、日常的な“さよなら”は、何度も繰り返すうちにある意味慣れてしまっている。
でもその“さよなら”に、毎度わたしは、やられていたのだった。

小さく小さく、何もなかったかのように遠ざけたいのだけれど、さみしいね、どうしようもないねって、心の中でいつも思ってしまう。

仕方ないことだから
割り切るしかないのだろうか。

次の約束を思えば
なにかもっといいものを感じていれば
気楽にやり過ごせるんだろうか。

このままでは、いつしか大きな孤独となってわたしに返ってきそうで、少しこわい。

わたしはどうにか
さよならの瞬間を、いい塩梅で理解していきたい。

終わらないと何も始まらないことは知っている。
ゴールがある、ということの素晴らしさも知っている。
さよならはなにかの区切りであることは確かだ、とも思えている。

・・・

そういえばある人に、物事にはいつも逆のことが起きていると教わった。
逆があるから、バランスを保てている。

だったらもうスルーなんてしないで、おもいっきり感じるままに
"かなしい"
"さみしい"
を受け取って

そのぶん、逆にあたる
"しあわせ"
"楽しい!"
というあたたかい気持ちが、今まで以上に膨らんでいくことを希望にするしかないのかもしれない。

きっと果てしない。
生きているからこそ、こればっかりは逃げられない。
何度も繰り返すんだ。

そのぶん、いいことがきっとあるんだ。

そう思っておこう。

【ののペディア/さよなら】
繰り返していくもの。
慣れてしまうかもしれないけれど、慣れたくないもの。

文/山口乃々華(E-girls)


山口乃々華 / E-girls
ナビゲーター
山口乃々華 / E-girls
3月8日生まれ、埼玉県出身。2011年にLDH主催の「VOCAL BATTLE AUDITION 3」を経て、2012年発売の「Follow Me」よりE-girlsとしてデビュー。2014年から女優業もスタートし、映画「イタズラなKiss THE MOVIE」シリーズ、ドラマ・映画「HiGH & LOW」シリーズやHulu版「崖っぷちホテル!」にも出演する等、活動の幅を広げている。 E-girlsとしては New Single「別世界」が発売中! また今年は、E-girls PERFECT LIVE 2011▶2020 6年に一度のPERFECT YEARだからこそ実現する、これまでのヒット・シングル曲で作られるE-girlsの魅力あふれるベストライブが決定している。詳しいLIVE情報はこちらから→http://www.ldh-liveschedule.jp/e-girls-perfect-live-20112020/ 
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