「自分スタイルの育て方」とは? スタイリスト青木貴子がナビ

いい女になりたいという気持ちを誰もが強く抱いているけれど、具体的にはどうしたらいい? 恋も仕事もおしゃれも、自分にフィットするスタイルを模索中のアラサー世代。
素敵な先輩女性の声に耳を傾けて、“これから” の自分について考えてみませんか?
女性ファッション誌や広告で活躍する傍ら、エッセイストや料理家としても知られる青木貴子さん。「大人のいい女に必要なこと」をテーマに、青木さんが考える“魅力的な女になるためのヒント”を書いていただきます 。

必読の隔週連載、今回は“自分のスタイルを持つこと”について。そこには、意外なセオリーが潜んでいました――。

「素敵なひとは持っている、10年もののマイヴィンテージ」

From Getty Image

お洒落な服を着ているひとにはつい聞いてしまう。
「可愛い、いまの気分のスタイリングだね。それどこの?」
するとセンスのいいひとからは結構な割合でこんな答えが返ってくる。
「これ?ボトムスは今年のだけど、トップスは10年くらい前の○○のだょ。ぜんぜん前の、でもこのボトムスと合わせると今年っぽいよね」
いえいえ、どっちも今年っぽく見えますけど!! 着こなし上手なひとはマイヴィンテージをさらりとスタイリングに入れ込むのがとっても上手い。

美意識レベルが一目瞭然、リトマス10年前の服

From Getty Image

10年前の服をいまでも着ていますか?
あなたが30歳だとしたら20歳の時、35歳なら25歳の時に買った服。もう自分の感性や好みがちゃんとあって、自分の意志でこれ素敵って思ってチョイスして買ったあの頃の服。
33歳以上のひとで、10年選手の服が一枚もいま手元にないとしたら、それはちょっと残念。なぜなら服に関するスタイルに歴史がないってことになっちゃうから。

小学生の時、理科の実験で使ったリトマス試験紙。紙に浸した液体が酸性化アルカリ性かすぐわかっちゃうあれ、覚えていますか? 美意識が高いか否かの判断にリトマス試験紙的に使えるのが、昔買った服。22、3歳を越えてからは服の選びにも確固たる視点があるべき(素敵なひとと見られたいなら)。
以前に買った服に魅力を感じなくて今着られないのだとしたら、その服を買った時点ではいいものを選ぶ目が育っていなかったという証拠。美意識が高くて魅力的に見えるひとは、一生ものとまではいかなくても何年か着られる自分らしい(この自分らしいってところも重要!)ベーシックなデザインや上質な素材の服をちゃんと毎年手に入れてワードローブの質を年々向上させ続けています。

そしてセンス的なことだけじゃなく、体型的な見地からも昔の服はリトマスになります。ウエストは入るか、腕はパツパツになっていないか。体型に対しての自分の意識も浮き彫りに!メジャー代わりになります、結構容赦なく一目瞭然…。10年選手の服、あるといろいろ便利です。

断捨離の前にちょっと待って!その服本当にいらないの?

From Getty Image

数年前に到来した断捨離ブーム。何年か着なかった服はすぱっと処分しましょう!というスローガンのもと、嬉々として衣料を整理したひとも多いと思います。
たしかにワードローブがスッキリすれば気持ちはいいです。何年か着ない理由。飽きた、好みが変わった、着こなせない。そんな感じですよね?

けれど必要なものまで処分していませんか? カルマは繰り返すというのと同じで(ちょっと表現がコワイですけど、笑)、基本気に入って買った服はまた似たようなものを買ってしまうハメに。だって好きなんですもの(笑)。メンテナンスをちゃんとして、大切にマイヴィンテージとして取っておきましょう。
また、着こなせないから何年も着ていない。そんな理由で処分するには後ろ髪を引かれるなんて服は、たとえ5年着ていなくても手元に残しておいていいと思います。何年か経って自分の雰囲気が変わって突然似合うようになったり、新しく買った服と合わせたらいきなりすごく良いコーディネートが完成したり、そんなこともあるのです。

年数か、かかることもあるかもしれないけれど、着こなせない服って基本ないと思います。パズルのピースじゃないけど、合うピースがやってくれば着られるようになる。むやみに処分していたら、いつまでたっても同じような服ばかり着ることになっちゃいます。断捨離しすぎると素敵なマイヴィンテージがいつまでたっても集まりません!

流され過ぎない、それが“唯一無二の魅力”を作る

From Getty Image

トレンドを意識して取り入れることは、感度良いひとって思われるためにぜったい必要。旬な雰囲気ってやっぱりフレッシュな印象を醸すから。でも素敵に見えるひとってトレンドは“ちょっと加味”くらいのさじ加減、基本的にその人らしい個性的なスタイリングをしている。そしてその核となる重要なアイテムのひとつが、大切に積み重ねてきたその人のマイヴィンテージだったりする。

トラッドとかフェミニンといったティストでもいいし、好きな色のトーンでもいい。自分らしいスタイルがベースにあるひとは断然お洒落に見える。千里の道も一歩から。センス良い魅力的なお洒落を目指すなら、先を見据えた服選びをしっかり意識!
お手軽アイテムで毎シーズン新しい服を買い続けるのもいいけれど、質のいい服を長く愛しんで着るのは、ちょっと豊かな気持ちにもなれる(質のいい服を着ていると質のいいひとに見えるという利点も。素材感って出るんですよね、如実に)。

衣替えして手にするたびにニンマリしちゃうような愛すべき服がどんどん増えていけば、自信が持てるスタイリングがたくさん作り出せます! そして、そんなマイヴィンテージがひととは違った、唯一無二のあなたの魅力を作りマス。

文/青木貴子


青木貴子/スタイリスト
ナビゲーター
青木貴子/スタイリスト
ファッション誌、広告などで幅広く活躍する人気スタイリスト。著書『センスは「ある」ものではなく「磨く」もの おしゃれ方程式』(PHP研究所)では、役立つおしゃれハウツーを指南。お気に入りレシピと器について綴った料理本『友だちを呼ぶ日のごはん、わたしのごはん』(扶桑社)も人気。
このナビゲーターの記事を見る