わからないって、希望。【E-girls山口乃々華連載 ののペディア/青春】

E-girlsメンバーの山口乃々華さんが、瑞々しい感性で綴る連載エッセイ「ののペディア」。今、心に留まっているキーワードを、50音順にひもといていきます。

第14回「せ」:青春

まずい。
あの先輩に挨拶したのか、していないのか、忘れてしまった。
少し遠いところから、私はひとり、もじもじしながらついさっきの記憶を遡っていた。

何度も挨拶するのも失礼だろうか・・・と考えつつも、とりあえずもう一回しておこう、と挨拶をしに行った。
ただの挨拶なのに、冷や汗をかいた。

いよいよ踏み入れた大人の世界。
何気ない行動も命取りになる、なんて大げさに考えながら、慎重に慎重に行動していた。

それでも、失敗してしまう。
こんなふうに、挨拶したのかしていないのか、すら忘れてしまうくらいなのだ。

あの頃は余裕がなく、覚えることも多かったので、いつもあたふたしていた気がする。

今になってみれば、不安なら挨拶は何度だってしに行けばいいし、相手もそんなことで怒るような先輩ではなかったのに
冷や汗をかいていたなんて、そんなメンタルでよくやってこられたなぁと笑えてしまうくらいだ。

経験してみれば、怖くなくなることもある。

わからないから、怖く思えただけだった。

くだらない悩みも、深刻な悩みも、解決するためには、一歩、踏み出す勇気が必要だ。

とにかくやってみるしかない、と思い
その勇気をなんとか身につけてきた気がする。
それも青春だな、と思う。

わたしが想像し、憧れていた青春は、とにかく明るいものだった。
例えば、恋の話で盛り上がったり、お腹がよじれるほど笑いあったり、美味しいものをたくさん食べたり・・・
もちろん、そんなたのしいこともたくさんあったけれど

ほかには何も考えられなくなるくらい悩むこと。
それほどまでに、わたしを占める何かがあるということ。

もちろん、これも青春、なんて落ち着いて受け止めてはいられないほど、大ピンチな瞬間もあるけれど。

それでも、頭も心もいっぱいいっぱいにして、何かのために悩むことは、解決という明るい未来に向かっている。

なるべく“つらい”という気持ちばかりにしたくない。
わたしは出来るかぎりでいいから、これも青春だなぁなんて思いながら乗り越えていきたい。

わたしにとって
わからないって、希望だな、と思えた。
知らないってワクワクするな、と思えた。

まだまだ青春真っ只中なのかもしれない。

“青春”という言葉のイメージから想像するキラキラしたものに、憧れていたけれど、蓋を開けてみたらそれだけではなかった。

キラキラしている楽しいことがあるのと同じくらい
考えることもたくさん必要な時期だ。

時が経てばまた、イメージが変わるのだろうか。
もしかしたら、わたしの今も、結局はキラキラした青春にみえるのかもしれない。

そんなプレゼントもあるかもしれない。

たとえ今は理想と違っても、迷っても、悩んでも、それでいい。それがいい。と思える日がきっとくるから、一歩一歩、踏み出してみよう、と思っている。

【ののペディア/青春】
あとから贈られるかもしれない、キラキラしたプレゼント。


山口乃々華 / E-girls
ナビゲーター
山口乃々華 / E-girls
3月8日生まれ、埼玉県出身。2011年にLDH主催の「VOCAL BATTLE AUDITION 3」を経て、2012年発売の「Follow Me」よりE-girlsとしてデビュー。2014年から女優業もスタートし、映画「イタズラなKiss THE MOVIE」シリーズ、ドラマ・映画「HiGH & LOW」シリーズやHulu版「崖っぷちホテル!」にも出演する等、活動の幅を広げている。この夏は7月10日(金)全国ロードショー映画「私がモテてどうすんだ」にヒロイン役にて出演! BL大好き妄想ヲタク女子なのに・・・4人のスーパーイケメンDK(男子高生)にモテまくる!? 笑って!歌って!踊って!抱腹絶倒のミラクル☆ラブコメディ!
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