美人で優秀、超多忙な女性が選ぶべき理想の男性とは?

大統領候補のスーパーウーマンと失職中のダメ男が繰り広げるラブコメディ、映画『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』。まさに美女と野獣といえる二人。現代社会を映し出した男女逆転シンデレラストーリーがアメリカンジョーク満載で描かれます。
映画ライター渥美志保さんに、みどころをレビューしていただきました!(編集部)

すべてを持つ女性がハマるのは、愉快なダメ男    

美人で有能、人気も好感度も抜群、米国初の女性大統領を目指している国務長官シャーロット。次の大統領選に出馬しない現大統領の推薦を得て、いよいよ打って出るために、ジョークが書けるスピーチライターを探しています。
そんな時、子供のころに隣の家に住んでいた年下の男の子、フレッドと再会。フレッドは過激さゆえに所属する雑誌社をクビになったばかりのジャーナリストで、ジョークを交えて物事の核心を突くその姿勢を買ったシャーロットは、彼を雇うことにします。    

大統領になるために、常に世の中の視線を気に掛けるシャーロットには、専門のイメージコントロールチームがいて、「あの手の振り方は評判が悪い」とか「食べる姿が無様な串料理は食べない」とかいろんなことを意識している人。
カナダのイケメン首相と2ショットで写真を撮らせるのも、世の中が二人の間にロマンスが「ある風」なことを喜ぶから。もちろん時には各方面からの支援を得ようと、泣く泣く自分の信条を曲げざるを得ないこともあります。

その一方でフレッドは何もかもお構いなし。ファッションも、いい年してなんだかチープで派手なスポーツウェアっぽい上下にキャップ姿で、好き放題に取材して好きなように記事を書き、上司に睨まれても自分を曲げず一直線に突っ走る、世渡り下手のハチャメチャ男。シャーロットは彼を帯同しながら世界を股にかけて働くわけですが、北欧で晩さん会に! 南の島でテロに! 中東の国と人質交渉!など、とんでもなく非日常的な出来事のなかで、やがて二人の間に恋が芽生えてゆきます。

見どころは、んなアホな!と言いたくなるオバカな笑い、そしてシャーロットを演じるシャリーズ・セロンの美しさ。映画の中ではあまり見せたことのない、ハイブランドに身を包んだ優雅な美しさと、思い切りはっちゃけた場面と、そのギャップがさらに笑いを誘います。仕事が思うようにいかず、時に落ち込んでコテッと床に転がる姿も、働く女子には共感度大です。

実はシャーロットはフレッドの中学生時代の憧れの人で、一度いい雰囲気になりかけながら彼の赤っ恥エピソードで終わったという経験があります。それ以来、シャーロットにとってフレッドは、唯一、彼女の地位も美しさも関係なく、カッコつけずにいてくれる人であり、彼女自身もカッコつけずにいられる相手なのかもしれません。ちょっとオタなバカ話も、地位を忘れてハジケることも、弱音を吐くことも、フレッドが相手であればできる。緊張感バリバリで働く女子には、実はこういう自由な男が、唯一心を許せる相手なのかもしれません。

『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』    
【監督】ジョナサン・レヴィン
【出演】 シャーリーズ・セロン、セス・ローゲンほか
TOHOシネマズ 日比谷 ほか全国公開中
http://longshot-movie.jp/
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渥美志保
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渥美志保
TVドラマ脚本家を経てライターへ。雑誌やWebのほか、企業広報誌などにも多く寄稿。J-WAVE「KEY COFFE METROPOLITAN CAFE」にてシネマスターとして映画を紹介。TOKYO FM「FMシネマ」では構成とキャスティングを担当。現在は映画を中心にカルチャー全般のインタビュー、ライティングを手がけている。
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