モノづくりに触れる金沢の旅②


【Fromエディターズ】すっかり秋景色になっていた金沢の「モノづくり」に触れる旅の2回目は、快適な宿泊先と足を伸ばしたクリエイティブスポットについて。東京から金沢へ行く場合、新幹線で2時間半~3時間前後。訪れた当日は、金沢現代美術館を訪れ、ひがし茶屋街や近江町市場を散策・・・というパターンが多いのですが、宿泊先で最近お気に入りなのが「KUMU金沢」です。

金沢市中心部のオフィス街にあり、近江市場や兼六園へも徒歩圏内にあるこちらは、築44年のオフィスビルをリノベーションして昨年誕生したモダンなシェアホテルです。そもそもシェアホテルとは、その場所にしかない新しい出会いと体験にあふれた場を提供するところ。
それを実現するため、株式会社リベタが「くらし、生活をリノベーションする」をコンセプトに全国でホテル事業を手がけています。

「KUMU金沢」のテーマは、金沢の伝統文化を未来につなぐ、文化サロン、文化振興を上げる「金沢の伝統を”汲む”場所」だそう。1階のフロントの奥はフリースペースになっており、気鋭の地域プレイヤーが集って金沢の魅力を国内外へ発信。

ロビーラウンジとしても使われるこの「THE TEA SALON KISS&Co.」(キッサ アンド コー)は、禅語の「喫茶去(きっさこ)」からきており、お茶を点てて、お客様をお迎えする精神に習ったものだとか。スタッフはなんと全員がお茶を点てられるそうですよ!

また館内の各フロアーには、金沢で活躍しているアート・工芸作家たちの作品が展示。こちらの白い一輪の花。実は動物の骨を使い「骨=死を”生”の象徴の花」で表現した橋本雅也氏の作品。

こちら、何で出来ていると思いますか。

洗濯ばさみを”滝”に見立てて、ひとつひとつ重ねあわせて、大量生産、大量消費をテーマに作られているのです。照明で透き通った洗濯ばさみのタワーがキラキラと輝いていて・・・この幻想的な状況にしばし見惚れてしまいました。

客室はツインのフロアベッドが基本になっていて、畳式のリビングに布団を引けるゆとりスペースが。またどのお部屋も天井がとても高い設計のため、2段ベッドタイプのお部屋も用意されており、最大4名まで宿泊できてリーズナブルな価格に。そして、このタイプなら”大人の修学旅行”気分を満喫できそう! カップルからファミリー、グループなど使い分けも可能だから、ゆったりした空間で旅の疲れもリセットできる「KUMU金沢」はおすすめです。http://www.thesharehotels.com/kumu/

金沢近郊クリエイティブスポットのひとつめは、「KUMU金沢」から1時間弱の場所にある九谷焼の窯元「上出長右衛門窯」。
独特の深く鮮やかな藍色の染付と青、黄、紫、紺青、赤で繊細に描かれたデザインが印象的な九谷焼。中でもこの窯では割烹食器を中心に、酒器や茶器を焼造しています。

こちらの窯の六代目、上出恵悟さん。大学在学中から新しい視点で作った九谷焼作品が注目され、ベーシックなものはもちろん新企画、共同制作を行っています。

プロセスごとに担当者が変わる作業場は、事前にリクエストすれば窯見学も可能。なかなかここまで近くですべての工程が見られることはない貴重な経験。これからはもっと大切に扱わなければ・・・と思うと同時に、私もやってみたい・・・という気持ちも出てきた人。実は、出来るんです!

それは、九谷焼の転写技術を使った「KUTANI  SEAL」。九谷焼は本来、職人が筆でひとつひとつに絵を付けるものですが、印刷された文様をシールのように器に貼り付けて製品をつけるプリント技術があり、それを業界初、オープンにして、一般の人でも身近に体験できるようにしたそう。
こちらの直営店は「八百萬本舗」にあるので、オリジナルを作ってみませんか。www.kutaniseal.com

そして2ヵ所目は、日本最高峰であり伝説の杜氏、農口尚彦氏が復活し、開設した酒蔵「農口尚彦研究所」。酒造りの神様といわれ、惜しまれつつ一度は杜氏を引退したものの、石川県の能登杜氏の匠の技術、精神、生き様を次世代に継承したい・・・という願いの元、作られた神聖な場所です。

どうやって日本酒は造られるのか・・・通常は入ることが許されない蔵をガラス越しで見学ができ、農口杜氏の歴史がギャラリーになって紹介されています。
ここでは科学的アプローチも実施しているため、最新の機器が導入され、若手蔵人たちが精力的に活動しているのです。

その味を自分で確認し、楽しむためのテイスティングルーム「杜庵(とあん)」。茶室のように静寂な空間の先には、金沢の田園風景が広がり、冬になると雪景色となってまるで日本画の水墨画の世界だそう。
同じ日本酒でも、温度、酒器の種類、肴によって味が変わる・・・をひとつひとつ比べ、実体験していくと、日本酒の奥深さ、自分の好みがはっきり分かって、楽しみが増えるはず。「吟醸酒」や「山廃仕込み」ブームの火付け役でもあった農口杜氏の想いが、ひしひしと伝わってきました。
http://nouguchi-naohiko.co.jp/

モノづくりに触れる金沢の旅。観光名所を巡る旅もインスタでは味わえない空気感が楽しいものですが、さらに人と触れ合って、モノの背景を知ることで、いそうその土地が好きになれる・・・そんな旅をこれからも続けていきたいと思っております。(GINGER編集部 WATANABE)

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