知る人ぞ知るアートコレクションがついに一般公開! その全貌とは?

こんばんは。アートテラーのとに~です。 いつもは水曜夜にお届けしている連載「水曜夜はアートの話を」ですが、今回はその特別編。
これまで謎のベールに包まれていたアートコレクション「桶田コレクション」の話題をお届けいたします。桶田コレクションとは、ファッションビジネスに長年携わってきた桶田俊二・聖子夫妻によって収集されたアートコレクション。これまで一般公開されたことがない、知る人ぞ知るコレクションです。そんな「桶田コレクション」が、東京・表参道で来週17日より始まる展覧会で、ついに一般公開されるという情報が飛び込んできました! これは、アート界の大ニュース。平成最後の大ニュースです! 
そこで、その展覧会情報をいち早くお伝えするべく、桶田夫妻に緊急取材を敢行(快くお引き受けくださいました)! 桶田コレクションにはどんな作品があるのか? 収集のきっかけは何だったのか? そして、展覧会はどんな内容になるのか? 今宵は、知られざる桶田コレクションの全貌に迫ります。

撮影/内山めぐみ  

すべてはあの世界的芸術家の作品から始まった

都内某所。桶田コレクションの一部が飾られたビューイングルームにお邪魔しました。「わー、ジュリアン・オピーの作品だ! あっ、こっちには名和晃平さんの作品が!」と、目移りして仕方なかったのですが、そこは自制して早速、桶田ご夫妻にインタビューをスタート。

インタビューは名和晃平さんの作品の前で。

「昔から、現代アートがお好きだったのですか?」

すると意外にも、現代アートに興味を持ったのは、ここ10年以内とのお答えが返ってきました。それまでは、古美術や北欧デザインのほうに興味があったのだそうです。確かに、ビューイングルームには、現代アートとともに、中国の古陶磁や李朝の棚、デンマークの家具デザイナーであるフィン・ユールのヴィンテージチェアも飾られています

骨董が並ぶ棚もこだわりのオーダーメイド

古美術から現代アートへ。桶田夫妻が現代アートに目覚めるきっかけとなったのは、2009年にNHKで放映された草間彌生さんの密着ドキュメンタリー番組でした。この番組を観て、草間さんに興味を持ったご夫妻は、すぐにギャラリーに足を運び、草間作品を1点購入したのだとか。そこから、草間作品を集めるようになり、今では初期から最近の作品まで、あらゆる年代の草間作品を網羅しているのだそうです。もちろんそれらのなかには、草間彌生さんの代名詞であるカボチャをモチーフにした作品も。

草間さんの故郷にある松本市美術館が所蔵するカボチャ作品と同サイズ、最も大きなカボチャ作品も所蔵しているそうで、それは是非観たい!・・・と思ったのですが、ビューイングルームには飾ってありませんでした。しかし、ご夫妻からうれしいひと言が。「その最大級のカボチャ作品は、展覧会の目玉として出展しますよ」とのこと。あぁ、展覧会が待ち遠しいです。

さてさて、草間作品を収集するようになり、現代アート全般に興味を持ち始めたという桶田夫妻。有名か無名かどうかは関係なく、現代アートのギャラリーを訪れては、直観で気に入った作品を集めてきたのだそう。その結果、形成されたのが現在の桶田コレクションというわけです。

KAWSの作品に♡マークが描かれているのは珍しい!

ちなみに、目がバッテンのキャラクターでお馴染みのアメリカ出身のストリートアーティストKAWS(カウズ)も、まだ日本でそこまで知名度がなかった時代からお気に入りの作家のひとりとのこと。数年前に手に入れたという珍しい作品を見せていただきました。

現代アートは部屋に飾って楽しむ!

※許可を得て、特別に至近距離で拝見しました。

ビューイングルームでのインタビュー取材後、ほかの作品も見せていただけることとなり、ご夫妻のご自宅にお招きいただきました。玄関を開けるなり、まず目に飛び込んできたのは、草間彌生さんの作品。それも1点ではなく、数点。廊下の壁に、さまざまな時代の草間作品が飾られています。ちょっとした草間彌生展状態です。ここが我が家だなんて。毎日が楽しいに決まっています。

さらに、圧巻だったのが、リビングルームです。

白い壁に飾られていたのは、草間さんの巨大な《インフィニティ・ネッツ》。その隣には、対比させるように、小さなアンディ・ウォーホルの《Flowers》が飾られています。それら現代アートの絵画作品の前に設置されているのが、ル・コルビュジエの名作家具LC4朝鮮の白磁李朝の家具。時代も国もバラバラなのですが、モノトーンで統一されているため、不思議なほどに調和していました。

現代アートをただ集めるのではなく、生活の一部に取り込む。さらに、ファッションのコーディネートを楽しむように、美術品の組み合わせを楽しむ。これぞ、究極のアートの楽しみ方ですね。さすがに、草間作品には手は出せませんが、自分もお手頃な価格の美術作品を購入して真似してみたくなりました。

展覧会は4月27日まで!

さて、いよいよ開幕まで数日に迫った桶田コレクションの展覧会。タイトルは『OKETA COLLECTION:LOVE @ FIRST SIGHT』。数百点を超える桶田コレクションのなかから、夫妻が特に“Love at first sight”、つまり「ひと目惚れ」した選りすぐりの名品約20点を紹介するそうです。出展作家には、草間彌生さんやKAWSはもちろん、“世界のムラカミ”こと村上隆さん、国内外でカルト的な人気を誇る五木田智央さん、セクシーロボットで知られる空山基さんなど、今もっともキテいるアーティストたちが名を揃えています。

「でも、現代アートって、難しそう・・・」と構えている皆さま、どうぞご安心を。今回の展覧会に出展されている作品はどれも、ひと目惚れできる作品。難しい解説一切抜きで、パッと見て楽しいと感じられる作品ばかりです。写真撮影は全面的にOKとのことなので、あなたもひと目惚れした作品をバンバン撮っちゃってくださいませ。

さらにうれしいことに、展覧会はなんと入場無料! ひとりで訪れるもよし。友達や家族、パートナーと訪れるもよし。当たり前ですが、何人で訪れても無料です。ちなみに会場は、表参道のスパイラル。期間中、休みなしで毎日20時まで開いているそうです。ショッピングやデートの際に、もしくは、お仕事の帰りなどに、フラッと立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

『OKETA COLLECTION:LOVE @ FIRST SIGHT』
会期:2019年4月17日(水)~27日(土)
会場:スパイラルガーデン(東京都港区南青山5-6-23 スパイラル1階)
開場時間:11:00~20:00
入場料:無料
主催:OKETA COLLECTION
キュレーション:児島やよい

公式Instagramアカウント: @oketacollection
問い合わせ:oketacollection@gmail.com


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美術の魅力をわかりやすく、面白く伝える、世界でただひとりの”アートテラー”。よしもと芸人時代に培った話力と笑いのセンスで、アートを語ります。日本を代表する数々の美術館で、公式トークガイドを担当。著書『東京のレトロ美術館』(株式会社エクスナレッジ)『ようこそ! 西洋絵画の流れがラクラク頭に入る美術館へ』(誠文堂新光社)が好評発売中。
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