あんなことやこんなこと…2019年のアートシーンを振り返って

こんばんは、そしてメリークリスマス! アートテラーのとに~です。
2019年最後の水曜日はクリスマス。皆さま楽しい時間を過ごされているでしょうか? 僕は特に予定もなく、せっせとアートの記事を書いています。あぁ、クリスマスが待ち遠しくなくなったのは、いつの頃からでしょう・・・(遠い目)。


さて、気を取り直して・・・早いもので今年も残すところあと1週間。年末らしく、2019年のアートシーンを振り返ってみようと思います。

あのバンクシー作品は今どこへ?

昨年末、世界的に有名な覆面ストリートアーティスト、バンクシーの絵が東京・日の出駅付近にある防潮扉に描かれているのが発見されました。

本物か? はたまた偽物か?——議論が巻き起こるなか、東京都は今年1月バンクシーの絵と思われる部分を防潮扉から外し、調査することを決定。小池都知事の「東京への贈り物かも?」発言も話題となりました。    

その後、一般公開を求める声が多かったため、4月25日から期間限定で東京都庁のロビーに展示されることに。その説明文では本物とは断定されておらず、あくまでもバンクシー作品“らしき”ネズミの絵と記載されていました。

そんなメディアを騒がせたあの絵、今どこにあるのかご存じですか?

実は11月25日より、日の出ふ頭2号船客待合所(シンフォニー乗り場)で公開されているんです。
来年はちょうどねずみ年。日の出にねずみ・・・これはお正月に観に行くしかありませんね。

今年最も話題になった芸術祭 

良くも悪くも今年最も話題になったアートの話題は、あいちトリエンナーレ2019内の“表現の不自由展・その後”をめぐる一連の騒動でしょう。
慰安婦像や昭和天皇の写真を燃やす映像などが問題となり、“表現の不自由展・その後”は展示中止に。その対応に抗議すべく、次々に参加アーティストが、展示が再開されるまでは展示の一部または全体を取りやめると表明しました。

「表現の自由」に関しては、人それぞれ意見があるでしょうから、ここであえてその議論を蒸し返すつもりはありませんが・・・一観客の立場から言わせてもらうと、約4分の1の作品が展示中止だったので「¥3,000 (フリーパスの料金)も払って、これかい!」 と不満のひとつでも言ってやりたい気分でした。

高嶺格  《反歌:見上げたる 空を悲しも その色に 染まり果てにき 我ならぬまで》

とはいえ、騒動ばかりが話題となってあまりメディアでは取り上げられていませんが、“あいちトリエンナーレ2019”全体としては、ちゃんと面白い作品もたくさんありました。
特に高嶺格さんの新作は圧巻! 廃校となった高校のプールの底面の一部がめくれ、聳え立つ壁のように直立していたあの光景は、一生忘れないでしょう。

ちなみに、なんだかんだあったあいちトリエンナーレ2019ですが、最終的には過去最高の67万人を記録したのだとか。名古屋市の負担金がなくても黒字の見込みだそうです。まさに炎上商法?!

文化財のありがたみを実感    

4月のノートルダム大聖堂、10月の首里城と歴史的な建築物が火災に見舞われるという悲しいニュースも多かったですよね。

何千年と受け継がれてきた美しい作品たちを観ることができるのは、決して“当たり前”ではないのだと思い知らされたと同時に、文化財を大切にしていこうという思いが深まった1年だったのではないかと思います。

来年は文化財にとっても読者の皆さまにとっても良い年になりますように・・・。

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美術の魅力をわかりやすく、面白く伝える、世界でただひとりの”アートテラー”。よしもと芸人時代に培った話力と笑いのセンスで、アートを語ります。日本を代表する数々の美術館で、公式トークガイドを担当。著書『東京のレトロ美術館』(株式会社エクスナレッジ)『ようこそ! 西洋絵画の流れがラクラク頭に入る美術館へ』(誠文堂新光社)が好評発売中。
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