ストレスと上手に付き合うためのふたつの処方箋

1月も気づけばもう半ば。新しい年を迎え心機一転頑張ってきた人も、そろそろ心の疲れが溜まってきているころかも? 今回はストレスと上手に付き合っていく方法をふたりのプロフェッショナルのスピーチとともに考えます。

不安を明確化してみる

ひとり目は、アメリカの実業家で投資家のティム・フェリス。双極性障害を抱える彼は、50回以上も鬱に襲われていることを明かしています。そんなフェリスの人生を大きく変えたのは、彼がストア派哲学者 ・小セネカの言葉の「人は現実より想像の中で苦しんでいる」という言葉でした。

この言葉との出合いがきっかけで小セネカの書簡を読むようになったフェリスは、さらに不安に立ち向かうための訓練法をみつけます。「premeditatio malorum」、悪を前もって熟慮するという意味です。「簡単に言うと、自分が怖れ行動を阻んでいる最悪のシナリオについて詳細にイメージすることで、すくんだ状態を克服して行動を取れるようにするということです」とフェリスはスピーチの中で説明しています。

彼がこれを実践する方法として思い付いたのが、紙を使って行う「恐怖の明確化」というメソッドです。

1枚目のページには「もし〜したなら?」という形式で、自分が怖れるもの・不安になるもの・逃げているものを挙げ、それについて「恐怖の定義」「予防策」「回復策」を書いていきます。2枚目には「その試みや部分的成功がもたらすメリット」を、3枚目には「やらないことのコスト」つまり現状維持のコストを書きます。フェリスも言っているように、現状維持のコストというのは見落としがちなポイントです。具体的な方法や考えるときの注意点は、フェリスがスピーチの中で詳細に説明してくれています。

彼はこの方法は万能薬ではないと付け足しながらも「私のこれまでの大きな成功と避けられた大きな災難は、すべて 少なくとも4半期に1度はやっている『恐怖の明確化』のお陰」と話しています。漠然とした不安も、この方法で明確化すれば付き合いやすくなりますよね。

ストレスをポジティブにとらえる

多くの人の頭の中には、「ストレス=悪いもの」という図式ができあがっています。でも実は、本当に健康に悪いのはストレスではなく図式なのだと、健康心理学者のケリー・マクゴニガルは言います。彼女が著したベストセラー『スタンフォードの自分を変える教室』は日本でも有名になったため、名前を聞いたことがある人もいるかもしれません。

スピーチの中で彼女はさまざまな実験を紹介しつつ、「ストレスが体に悪いと信じることが、健康に害をおよぼす」という結論を導いています。彼女はさらに、ストレスのメリットにも言及します。ストレスが人を社交的にしてくれること、そしてストレスのいい面を知ると実はもっと健康的になんて、ちょっと意外ではないでしょうか?

ふたつのスピーチを紹介しましたが、共通していえるのは自分の「敵を知る」のが大切だとこと。自分の恐怖の対象にせよ、ストレスにせよ、きちんと向き合い分析すれば意外と強い味方になってくれるかもしれません。

文/タカハシアスカ


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タカハシアスカ/ライター
ヨーロッパ在住ライター&時間を見つけてはふらっと旅に出るウィークエンドトラベラー。 長期の海外経験で培った感覚で、アラサー女性に刺さるものをピックアップ。 日々ユニークなものを求めて、ヨーロッパ各国をうろうろしています。
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