中途半端はNG。スタイリスト目線で選ぶ、本気で“男前な靴”

ファッションのみならず、食やインテリアまで、自身のこだわりに叶ったモノに囲まれた心地よい暮らしを楽しむ、スタイリスト青木貴子さんの連載「おしゃれを彩るモノ語り」。 選んだひとつひとつのアイテムに、特別な想いがあるそう。 青木さん自身のスタイルを構築している要素 = 身のまわりのモノについて、 お気に入りの理由、そのアイテムの魅力や背景、使い心地や着心地、 どんな時間をそのモノと共有してきたのか・・・など、大切なモノたちにまつわる物語を綴っていただきます。 今回は、美しい造形の「男前な靴」にまつわるストーリーです。(編集部) 

男前な靴がスタイルにもたらすもの

9月に入ると途端にサンダルやオープントゥの靴が履けなくなります。いくら気温が高く暑くっても9月の声を聞いたら、履かない。それはなんとなく自分の中での決まり事、服も然りで麻などの夏らしい素材の服もいっさい着ない。来年の夏が来るまでの間、彼らにはお暇を取ってもらっています(笑)。その代わりに登場する回数が増えてくるのがご覧のような男前の靴達。秋から春先まで、私のスタイルのスタメン、スタイリングの要となります。

ボッテガ。靴の色の組み合わせから色を選んで服もミックスカラーコーデ、お洒落に見えます!

最近ではすっかりレディスでも定着したこの手のハンサムシューズ。定着してきたのはここ10年くらいでしょうか。
このモノ語りの連載でも何度か触れていますが、私はもともとメンズっぽいファッションが大好き。本格的な男前レースアップシューズとの出合いは10代後半にさかのぼります(相当に前です、笑)。

パンツスタイルの時は、男の人と同じような靴の方が格好いいよなぁと思っていた私。当時は女性に向けた男前な靴なんてほとんどなかったから、最初に出合えたときはすごく嬉しかったのを覚えています(レースアップやローファーでも幅が細かったり華奢な印象のものがほとんどでした)。

一番最初に買ったのはホワイトバックス、今となっては貴重なバックスキンで作られたレースアップシューズです(ホワイトバックスは夏履きの男前靴)。これは今でも大切に持っています。白いポロシャツに太めの白いコットンパンツやプリーツスカート、そこにホワイトバックスというスタイリングが当時私のなかでいちばん好きな格好でした。この組み合わせは今でも大好き。最近は男前靴がトレンドにもなったので、この手のスタイリングは当たり前になりましたね。

トッズ。何ともお洒落なデザイン!と一目惚れした靴。革と別珍のコンビネーションに惹かれて。

男前な靴の魅力は、やはりボトムスとのバランスが良くみえること。特にワイドパンツと細めのストレートパンツとは相性抜群です。ワイドパンツを素敵に履きこなすには、靴のチョイスはヒール高めのパンプスか男前靴の二択だと思います。パンプスを選んだ場合は結構高いヒールでないとなんとなくサマになりません。これって1日履いているのは結構シンドイですよね。しっかりとした男前靴はコバなどもちゃんとあるので足元に存在感が出ます。なのでワイドパンツの広い裾幅にも埋もれない、だからバランスよく格好良く見えるのです。ペタンコだから一日中履いていても楽チン!です。

細めストレートパンツと合わせるときのポイントはパンツ丈、ちょっと短めにするとスタイリッシュな印象になります。丈感のお手本はお洒落な男子を参考にすると間違いないです。また男前靴はフェミニンなプリーツスカートやフレアースカートともベストマッチ。良い感じの外しの役割を担ってくれ、着こなし上手に見せてくれます。

セリーヌ。理想的な型、大大大のお気に入り。

いちばん便利なのは黒のプレーントゥ(のレースアップ)シューズ。マニッシュなスタイルにもレディな装いにも合わせられるし、着こなしの幅が広がります! 一足持っていると重宝します。

選ぶ基準はしっかりしたコバがあることと、適度な幅。華奢な感じに見える男靴は結果中途半端で素敵に見えません。思い切ってうんと男前な印象のものがおススメです‼︎ 妥協禁物で良い男靴に出会って下さいね。

文/青木貴子
撮影/植一浩


青木貴子/スタイリスト
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青木貴子/スタイリスト
ファッション誌、広告などで幅広く活躍する人気スタイリスト。著書『センスは「ある」ものではなく「磨く」もの おしゃれ方程式』(PHP研究所)では、役立つおしゃれハウツーを指南。お気に入りレシピと器について綴った料理本『友だちを呼ぶ日のごはん、わたしのごはん』(扶桑社)も人気。
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