ストールが生み出す魔法~スタイリスト青木貴子のモノ語り

ファッションのみならず、食やインテリアまで、自身のこだわりに叶ったモノに囲まれた心地よい暮らしを楽しむ、スタイリスト青木貴子さんの連載「おしゃれを彩るモノ語り」。選んだひとつひとつのアイテムに、特別な想いがあるそう。 青木さん自身のスタイルを構築している要素 = 身のまわりのモノについて、 お気に入りの理由、そのアイテムの魅力や背景、使い心地や着心地、 どんな時間をそのモノと共有してきたのか・・・・など、大切なモノたちにまつわる物語を綴っていただきます。
 今回は、青木さん冬のマストアイテムともいうべきストールについて。(編集部)

研究を重ねてたどり着く、自分流ストール使い

今年は寒波が次々到来! 長期予報でこんな寒い冬なんて言ってましたっけ?
とにもかくにも寒い毎日が続いています。防寒をしっかりしないと乗りきれないほどのこの寒さ。私は帽子、手袋、そしてストール‼︎  この3つをほぼ欠かさず駆使して凌(しの)いでいます。
そこで今回ご紹介するモノ語りアイテムは、越冬にマストなアイテム、ストールです。

私の大の大の大のお気に入りはこちらの赤いストール。
もう何年でしょう、いつ手に入れたのかも判らないくらい長いこと私の冬のコーディネートに登場し続けています。たぶん7〜8年、いやもっとかな・・・、何しろこのストールは私の冬スタイルになくてはならない存在。

ではどこがそんなに魅力的なのか? いちばんに惹かれているのはその色合い。私好みの“絶妙の赤” 。真っ赤ではなく、少し黄味のあるトマトレッド。いろいろな色と馴染みの良い、ニュアンスある優秀な赤。こういう色がとっても便利だし、使い勝手が良いのです。
ピュアレッドや真紅だと赤が目立ちすぎて(単体で見ると綺麗だし、効かせるときはいいけど)、スタイリングが野暮ったくなることも。ボルドーに近いと華やかさがちょっと無くなるし。グレー、ネイビー、黒、白、茶系、 etc…、黄味赤はどんな色とも相性が良いし、コントラストも美しく映えます。新しくストールを買おう!と思っている方にはオススメの色。

そして大きさ(200×150cm)も素材(カシミヤ100%)も薄さ(厚くない)も申し分なし! 大絶賛ですね(笑)。このくらいの大きさ、薄さが巻きやすい。巻いたときにいい感じのドレープや陰影が出て、こなれた雰囲気が出しやすいから。
もちろん素敵に見える素材感というのも大切です。上質素材は巻いたときに出来るシワすらお洒落に見えます(不思議だけど、本当の話)。ストールは一度買ったら何年も使えるので、多少高いなぁと思ってもぜんぜん元が取れます!だから質の良い素材のものを選んだほうが絶対にお得‼︎です。

あと色物のストールを買うときは出合いを大切に。これいい色!とピンときたら買いましょう!  一期一会、もう二度と巡りあえない可能性が高いからです。私がこのストールと出合ったのは海外から帰国するときの空港内にあったデューティーフリーのエルメスブティック。海外旅行あるあるの、最後のあがきの免税店で何か素敵なものないかなぁとにふらっと立ち寄ったときに、一目惚れしました。搭乗前で迷っている時間もなく(笑)、必然的に即決。結果、買って帰って本当に良かった‼︎と何年経った今でも思ってます。

そしてお次は超厚手大判ストール。もうここまでくると毛布に近い(笑)。先ほど厚過ぎないストールがこなれた雰囲気が出しやすく良い!って言ってたじゃん‼︎言ってること違うじゃん‼︎と言われそうですが、もうこのくらいの厚さまでくると別物、存在感があってお洒落に見えちゃうんです。こちらはもうボリューム勝負というか、ぐるりと巻くだけでなんだかサマになるという、これまた便利な代物。このストールに関してはそこが最大の魅力かな。

移動中の乗り物の中ではそれこそブランケット代わりになり、これも重宝しているポイントです(ロケバスの中ではこれ掛けて寝てます)。初秋や春先はコート代わりにもなります。
こちらのストールはリック・オーウェンス。以前に紹介した秀逸ワークブーツも同じブランドのものですが、リックは服も素敵だけれど、靴やストールといった小物もとっても素敵。飽きのこない不変のクールさが漂うリックの小物は長く愛用できる魅力に溢れています。

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さて、ストールが“格好良いアイテム”と映るか、単なる“防寒アイテム”と見えるかは巻き方次第。素敵に見せたかったら、これはもう鏡の前でいろいろやって巻き方を工夫すべし。街で見たりネットで見つけた上手にストールをこなしている人を参考にしても◎。

ポイントは巻くとき綺麗にたたまない、出来上がりをシンメトリーにしない。この2点は重要。つまりいかにさり気なく纏ってますよん、という印象を作れるかどうかです。

今冬はストールの出番がいつも以上に多そうだから“格好良いアイテム”としてストールを活用、冬のお洒落を楽しんで下さいね!

文/青木貴子
撮影/植一浩


青木貴子/スタイリスト
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青木貴子/スタイリスト
ファッション誌、広告などで幅広く活躍する人気スタイリスト。著書『センスは「ある」ものではなく「磨く」もの おしゃれ方程式』(PHP研究所)では、役立つおしゃれハウツーを指南。お気に入りレシピと器について綴った料理本『友だちを呼ぶ日のごはん、わたしのごはん』(扶桑社)も人気。
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