ただの生理痛と月経困難症との違いは?生理ってどのくらい痛いものなの?

新型コロナウイルスの影響で取り巻く状況は変わっても、女性にとって生理の悩みは変わりません。特に生理痛は、多かれ少なかれ誰もが経験します。でも、ただの生理痛(月経痛)なのか? 治療すべき月経困難症なのか? その違い、わかりますか? 自分の生理痛が治療したほうがいいものかどうか、チェックしてみませんか?

【チェック!】私の生理痛は病気なの?

それではさっそく、次のチェックをしてみましょう。少しでも当てはまるときは、「☑ はい」でカウントしてください。    

*『女性の健康推進室 ヘルスケアラボ』より  


生理痛(月経痛)は誰でも起こる可能性があります。けれども、上記のような症状が1つでも当てはまる場合、なにかしらの病気が潜んでいる可能性があります。また、つらい生理痛で多いのは「月経困難症」の可能性です。   


月経困難症と生理痛の違いは?

生理(月経)中に現れる強い下腹部痛や腰痛などで日常生活や仕事に支障が出たり、毎回、生理のたびに鎮痛剤(痛み止め)を飲むようなら「月経困難症」の可能性があります。月経困難症は、婦人科で治療すれば改善できます。生理は、本来そんなには痛くないものです。

通常の生理痛との違いは、日常生活や仕事に支障があるかないかで判断できます。たまに鎮痛剤を2、3回飲めば改善するくらいなら、よくある生理的な「生理痛(月経痛)」です。しかし、生理期間中に鎮痛剤を飲んでも、日常生活に支障が出るような生理痛は「月経困難症」と診断されます。

月経困難症の症状には、腹痛、腰痛のほかにも、悪心(気持ちがわるくなる)、嘔吐、フラフラする、頭痛、頭重、食欲不振などがよくある症状です。    

月経困難症は、生理のある女性の30%に見られ、子宮内膜で作られる痛み物質(プロスタグランディン)により、子宮が収縮するため腹痛や頭痛、吐き気、下痢などが起こります。

痛みは我慢せず、鎮痛剤も正しく使って

つらい生理痛(月経痛)があったら、我慢せずに鎮痛剤を服用します。鎮痛剤にはいろいろな種類があります。市販のものでも婦人科で処方されたものでも、自分に合って副作用が少ないものを選びます。

鎮痛剤は、痛みが強くなってから飲んでも効きにくいといわれています。「そろそろ痛くなるな」と思ったら飲むことが大切です。吐き気があって経口薬(服用薬)を飲みにくい人は、座薬の鎮痛剤もあります。    

鎮痛剤は体によくないからと、我慢する人もいますが、用法用量を守って月に2~3回飲む程度なら問題ありません。痛みの記憶を残さないことのほうが大事です。また、ひとつの鎮痛剤があまりよく効かないと思ったら、鎮痛剤の種類を変えてみることもできます。

月経困難症には2パターンあります

月経困難症には「器質性」と「機能性」があります。

なんらかの原因となる病気(子宮筋腫や子宮内膜症、子宮腺筋症など)があったら「器質性月経困難症」です。一方で、検査をしても原因となる病気がない場合を「機能性月経困難症」といいます。

どちらの場合も治療すれば、生理痛(月経痛)は改善できます。鎮痛剤があまりよく効かない、症状が以前よりひどくなってきたと思ったら、我慢せず婦人科を受診しましょう。

機能性月経困難症なら・・・。婦人科で処方される鎮痛剤

婦人科では、生理痛(月経痛)が「機能性(原因となる病気が見当たらない)」か、「器質性(原因となる病気がある)」かを検査して診断してもらうことが大切です。診断は、比較的簡単です。 検査は、内診や超音波検査で、子宮筋腫や子宮内膜症などの有無を見極めます。

婦人科で処方される鎮痛剤は、市販薬より種類も多く、効き目がシャープなものや自分に合ったものを見つけやすい利点があります。

婦人科処方の鎮痛剤には、痛みの原因となるプロスタグランディンをブロックできる薬(プロスタグランディン合成阻止剤)があります。また、ボルタレンなどの鎮痛剤が処方されることもあります。痛みがかなり強く、早く痛みを取りたいときは、鎮痛剤の座薬は即効性があります。

鎮痛剤を使うときのコツは、早めに使うことです。もう我慢できないといった強い痛みがきてから服用するより、早めに、あるいは痛みが始まる前に服用したほうが、少量で済みますし、よく作用します。 

低用量ピル(OC)は生理痛に効果的です

月経困難症は、低用量ピル(OC)の内服で症状が緩和する可能性があります。頭痛や吐き気なども、婦人科の処方薬で改善することが多いです。 

「機能性月経困難症(原因となる病気がない月経痛)」は、排卵した後、卵巣から分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用が原因です。 この黄体ホルモンの分泌を抑えれば、生理痛(月経痛)は予防できます。つまり排卵を一時的にストップするわけです。

そのために、低用量ピル(OC)は効果的で、安全な方法といわれています。低用量ピルは排卵をストップするため、避妊薬としても使いますが、生理痛の治療薬としても使うことができます。 超低用量ピル(LEP)は、月経困難症治療薬、子宮内膜症治療薬として健康保険で治療できます。

排卵を抑えれば、生理の出血量が減り、痛みも治まります。加えて、生理周期が安定するので、予定や計画を立てやすくなります。もちろん避妊の効果もあります。

ホルモン剤に抵抗がある人は、漢方薬を試してみましょう。いずれにしても自分に合った治療法を選ぶのが一番いい解決法です。

また、子宮内膜症や子宮筋腫がある場合は、治療が必要なことが多いので、婦人科への受診をおすすめします。

適度な運動は、生理痛の軽減に効果があります

生理前は、骨盤の血流の流れがうっ滞します。うっ血は、生理痛(月経痛)を強くすることにつながります。

適度な運動は、有効です。軽いジョギング、ウォーキング、スイミング、あるいはヨガやピラティスなどを行いましょう。簡単な全身のストレッチなどもいいでしょう。 

生理痛を当たり前とあきらめずに受診しましょう! 女性は症状がなくても自分の健康のため、予防のために年1回は婦人科を受診して、経腟超音波で子宮や卵巣の様子をよく診てもらいましょう。子宮頸がん検診を同時に行ってもらうのも大切です。

参考文献/『新版 知っておきたい子宮の病気』上坊敏子(新星出版社)、『女性の健康推進室 ヘルスケアラボ』http://w-health.jp/

増田美加/女性医療ジャーナリスト
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増田美加/女性医療ジャーナリスト
NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。本誌「30歳美容委員会・女性ホルモン整え塾」でもお馴染み。エビデンスに基づいた健康情報、予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書は『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人「みんなの漢方R」理事長、NPO法人「乳がん画像診断ネットワーク(BCIN)」副理事、NPO法人「女性医療ネットワーク」理事、CNJ認定「乳がん体験者コーデイネーター」ほかを務める。
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