不妊の原因は男女ほぼ同数。妊活はパートナーと行うのが成功のカギ!

妊活は、今や女性だけのものではありません。パートナーがいるあなたなら、一緒に妊活に取り組むのが成功のポイントになります。今、不妊の現状を見ると、不妊原因は男女ほぼ同数となっているからです。女性だけでなく、男性にも妊活ケアは必要です! パートナーとふたりで行う妊活ケアのポイントをお伝えします。

排卵、卵管、男性因子が不妊の3大原因。原因不明は約1割

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妊娠は、卵子と精子が受精して、着床まで、多くの条件が揃って初めて成立します。ですから不妊原因は、複数の因子が重複しています。

今、不妊の3大原因とされているのは、排卵因子、卵管因子、男性因子です。男性のおもな原因は、性機能障害、精子の数や運動率の低下です。

以前は、不妊の原因は女性が多いとイメージされていましたが、現実は男女ほぼ同数と考えられています。

一方で、検査をしても原因が見つからないものが11%あります。
原因不明のうち、加齢で精子や卵子の妊孕(にんよう)性(赤ちゃんを作る力)の低下が要因のことも多く、夫婦の年齢が上昇すると、原因不明の割合が高まるデータがあります。

不妊の原因となる女性の病気は?

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女性の不妊の原因となりやすい病気や状態は、内分泌・排卵因子(排卵障害)、卵管因子(卵管の閉塞、狭窄、癒着)、子宮因子(子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、先天奇形など)、子宮頸管因子(子宮頸管炎など)などです。

不妊原因の男女別の割合を見てみると、男性にも女性にも何らかの原因がある場合が少なくありません。ですから、妊活や不妊の検査、治療は男女共に必要なことがわかります*。

*WHOによる7273カップルの不妊症の原因調査より

男性にも妊活ケアは必要です!

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以前は2年間妊娠を希望しても妊娠しないカップルが不妊症とされるのが一般的でしたが、今は1年間妊娠を希望しても妊娠しないカップルを不妊症と定義するようになりました。

100組夫婦がいると、最初の1年目で80組の夫婦が妊娠します。次の1年で10組の夫婦が妊娠します。つまり残る10組(10%)が不妊症ということになります。

しかし、女性の結婚年齢が上がったことなどにより不妊症は10%よりも増加しています。米国の生殖医学会では、「女性が35歳以上なら6か月の不妊期間が経過したあとは検査、治療を開始することが認められる」と提唱しています。日本も同様の流れで「35歳以上は6か月赤ちゃんができなければ検査を開始したい」と言われています。

パートナーがいて「赤ちゃんは少し先でも…」と思える年齢には限界があります。30代で妊娠・出産を希望するなら、できるだけ早く出産するライフプランを考えることが重要です。

妊活のために行っておきたいことは、年1回の婦人科検診と基礎体温のチェックです。
また、生理痛や生理周期にかかわる不調があって、妊娠をすぐに希望しないなら低用量ピルの服用もおすすめです。

肥満は、生活習慣病や心血管病の原因となり、男性不妊とも関連します。男性も一緒にカップルでバランスのよい食事と適度な運動を取り入れましょう。

パートナーと行いたい妊活チェック

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女性だけでなく、男性にも妊活のためのケアが必要です。
パートナーにも、以下の項目をチェックしてもらい、一緒に定期検診とヘルスケアを行って、男性にも赤ちゃんができやすい体質になってもらいましょう。

【女性用チェック】
☐ 適正体重をキープ
☐ 禁煙する。受動喫煙を避ける
☐ 過度な飲酒を控える
☐ バランスの良い食事
☐ 葉酸を積極的に摂取する
☐ 週150分は運動をする
☐ ストレスをためない
☐ 感染症を予防する(風疹・B型/C型肝炎・性感染症など)
☐ ワクチン接種(風疹・インフルエンザなど)
☐ 有害な薬品を避ける
☐ 肥満や生活習慣病チェック(血圧・糖尿病など)
☐ がん検診を受ける(子宮頸がんなど)
☐ 持病についてのチェック(薬の内服と妊娠の影響についてなど)
☐ 定期検診を受ける
☐ 将来の妊娠・出産をライフプランとして考える

【男性用チェック】
☐ 適正体重をキープする
☐ 禁煙。過度の飲酒はやめる
☐ ストレスをためない
☐ 感染症を予防する(風疹・B型/C型肝炎・性感染症など)
☐ ワクチン接種(風疹・おたふく風邪・インフルエンザなど)
☐ 定期検診を受ける
☐ パートナーと一緒に健康管理をする

*国立成育医療研究センター プレコンセプションケアセンター 
https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/preconception/ ホームページより

40歳を過ぎると体外受精でも妊娠率、出産率が大幅に下がります

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人によって卵子年齢と子宮年齢は異なりますが、女性の妊孕性(赤ちゃんを作る力)はおおよそ37歳~44歳のどこかの時点でほぼ消失します。
妊孕性は、消失してしまうと、現在の医学(生殖医療を含む)で有効な治療は、ほとんどありません。

現在の生殖医療の技術でも、42歳の壁は大きいのです。40~41歳を境に、体外受精の妊娠率と流産率が逆転し、妊娠しても流産するリスクが上回ります*1。
また、40代になると卵巣の老化によって、原始卵胞数が急に減少します。胎児期の卵巣には数百万個の原始卵胞が存在します。しかし、30代で数万個、40代は数千個。50代で閉経すると卵胞はなくなります*2。

ですから、1年間妊娠を希望しても妊娠しないカップルは、タイムリミットが来る前に治療を開始することが大切なのです。
とはいえ、もちろん自分の人生や仕事を考えた上で、女性には産みたい時期があります。そのときに、産めるタイムリミットの知識をもっておくことは、女性にとって非常に重要だと思います。

*1 JSOC 2012年データより
*2 Block,E:Acta.Anat,(Basel)14,108(1952)より

文/増田美加


増田美加/女性医療ジャーナリスト
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増田美加/女性医療ジャーナリスト
NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。本誌「30歳美容委員会・女性ホルモン整え塾」でもお馴染み。エビデンスに基づいた健康情報、予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書は『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人「みんなの漢方R」理事長、NPO法人「乳がん画像診断ネットワーク(BCIN)」副理事、NPO法人「女性医療ネットワーク」理事、CNJ認定「乳がん体験者コーデイネーター」ほかを務める。
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